うなぎのお話

全国各地のうなぎ処

自然環境と食文化

 

コロナ感染が収束に向かう中、緊急事態宣言も解除され県をまたいでの移動も緩やかになりました。

先日、母の介護施設(グループホーム)から面会解除の知らせがありました。
こうした老人介護施設以外でも医療関連などを含めて、多くの施設が面会禁止の状況が続いていたのではないでしょうか。
解除の連絡があったとしてもやはり慎重な行動が要求されると思います。
特に免疫力が低い高齢者との接触は注意しなければならないと。

ということで、4ケ月ぶりに母の様子を見に行ってきました。
実家のある島田市の隣には「吉田」という町があります。

この吉田町は昔から「うなぎの養殖」が盛んな所でした。
小学生の頃、社会見学の授業でこの吉田町の養殖場を訪れたことがあります。学校のプール(25m)ほどの生け簀があり、餌を与えた時のうなぎがひしめき合う光景はすごいものです。
又、中学生の頃、大雨や台風の後によく自転車で行ったことがあります。というのも、大雨の影響で生け簀から逃げ出すうなぎを捕まえるためです。周りの田んぼの水路で遊びながら捕まえた記憶があります(笑)

そんな養殖が盛んだったことから周辺には ”うなぎ屋さん” が多くありました。
特に国道150号線沿いには、うなぎの看板がいたるところに見受けられました。今では少なくなりつつあるようですが、昔からその地域独特の食文化がうかがえます。

静岡県のうなぎと言えば、まず真っ先に出てくるが「浜松」です。
これは浜名湖がうなぎの養殖に最適な場所だったことから明治以降栄えてきたそうです。
”うなぎパイ” などのお土産でも知られています。

そんなうなぎの食文化を改めて考えてみると、身近にもいろいろ盛んだった所があります。

私の住む町「川越」も老舗のうなぎ処がたくさんあります。
近くに入間川や荒川、新河岸川などの河川があることから、天然うなぎが獲れたことからだと思います。
又、埼玉県は河川の面積比率が全国一ということから川と生活が密着しています。さいたま市(特に浦和)周辺にも多くのうなぎ処があります。

以前、千葉の成田山や佐原に行った時にもうなぎ屋さんが多いことに気づきました。
これもやはり河川に関わりがあるようで、利根川や霞ヶ浦などの湖や沼も多く点在していたことからではないでしょうか。
又、タレは醤油を使うことで、醤油の名産地である千葉には調理のための食材があり、盛んになった歴史があるのかもしれません。

全国くるま旅に出かけた時にもうなぎ屋さんの看板をよく見かける地域があります。
昨年、四国の四万十川流域を走っていた時もそうでした。清流で獲れるうなぎはさぞ美味しいでしょう。
グルメ旅と言っても高価なうなぎを食べることはありません。横目に見ながらスルーします(笑)

 

先日、「全国観光特産検定試験」がオンラインで行われました。
ブログ:「オンライン試験」

この時、うなぎに関わる問題がありました。

問:「養殖うなぎ」の生産量が最も多い都道府県はどこか?

ア、愛知県  イ、鹿児島県  ウ、静岡県  エ、茨城県

答えは、イの鹿児島県です。
一般的に静岡県か愛知県かな?と思ってしまいますが、意外にも鹿児島県なんですね。
ちなみに「天然うなぎ」の漁獲量では茨城県だそうです。

 

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吉田町の「うなぎ直売所」(静岡うなぎ漁業協同組合)

吉田町には今でも何軒かのうなぎ屋さんがあります。
特に「八木秀」といううなぎ屋さんは地元でも人気があります。

 

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うなぎ満腹弁当 2000円

母の様子を見にきた時には、たまにうなぎの蒲焼を食べます。
年に1~2回ほどですがささやかな贅沢です(笑)

 

全国各地にはうなぎ処という地域があります。
そこは海に面している場所(シラスウナギが獲れる)や、内陸の川沿いや湖・沼がある場所など様々です。
皆さんの地域にも多分あるのではないでしょうか。
昔からその土地の自然環境が育んできたものだと思います。日本独特の食文化ではないでしょうか。

 

余談
うなぎの捌き方は、関東は背開き、関西は腹開きだそうです。
それでは、その中間に位置する静岡県はどっちかな?と思いました。
帰りに地元の知人宅に立ち寄り聞いてみたら背開きのようです。

静岡県は関東と関西の中間だったことから、両方の文化の影響を受けています。
ちょっと調べたところ、その境目は浜松あたりのようでした。
うなぎに関わらずそうした食文化の境目は大きな川が境になることか多いです。天竜川や大井川などの一級河川が境目になったのかもしれません。
昔は橋がない、又はあっても交通が不便だったことから様々な文化の境目になったのでしょうか。

2 thoughts on “うなぎのお話

  1. すーさん、お母さんとの面談、よかったですね。
    私の母の施設は、まだ県外家族は面会禁止です。
    地元の方も、施設の玄関で、15分間のみの面談だけと
    まだまだ厳しい状況が続いています。
    (ちなみに実家のある石川県のことです)

    私の住んでいる三重県も実は、うなぎの名産どころです。
    名古屋の「ひつまむし」が有名ですが、隣の三重も
    結構なものです。
    県庁所在地の津には、うなぎマップがあるくらい店が
    あります。
    こちらでは、鰻丼、うな重以外にひつまむし、肝丼など
    バラエティーが多く、実は価格も名古屋よりかなり安め
    です。
    変わったところでは、「うなぎの上下(かみしも)」というのが
    あり、これは、鰻を焼いた時の出る頭と尻尾だけを集めて、
    おつまみとして売っています。
    ワンパック100円~200円くらいで、ビールのおつまみに
    最適です。(三重県でしか売っていないようですが)
    機会があれば、三重でうなぎを食べる時に「かみしも」ありますか
    と聞いて下さい。
    運がよければ、食べられるかも。

    私の好きなものは、「きんし丼」と言って、ご飯の上に錦糸卵が
    たっぷり乗って、その上に鰻の切り身が乗っているものです。
    鰻巻きでご飯を食べる感覚ですね。
    家でも作れるので、かば焼きを買ってきて、時々作っています。
    お試し下さい。

    山の方も徐々に解禁のようですので、いつもの生活へ復帰される
    ことをお祈りします。
    こちらは、しばらく観光地を避けながら、外出を増やす予定です。

    1. あらちゃんさん

      お母様も現在施設に入居されているんですね。
      地域によってはまだ面会できない所がありますよね。
      今回の面会は個室(個人の部屋)でした。いつもは皆さんが集まるリビングでもOKでしたが、やはり感染を考慮したものでした。

      >三重県も実は、うなぎの名産どころです。

      へ~そうなんですか!
      全国各地にやっぱりうなぎどころがあるんですね~。
      静岡、愛知、そして三重。東海地方はうなぎの名産どころですね。
      うなぎマップがあるくらいですから、昔からよく食べられていたことが分かります。

      「うなぎの上下(かみしも)」?
      はじめて聞きました。その土地独特の食べ方があるんですね。一つ知識が増えました(笑)
      三重といえば、はまぐり、松坂牛、伊勢海老、牡蠣・・・、そしてうなぎですか!
      海のもの、山のもの美味しいグルメが豊富なところですね。

      もうそろそろ土用丑の日ですね。
      「きんし丼」作ってみようかなと思います。

      美味しいグルメのお話ありがとうございました。

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