レジ袋有料化

地球温暖化対策

「私にできること」・・・

 

7月1日から全国でプラスチック製買物袋の有料化がスタートしました。
すでにスーパーによっては有料化していたお店もありますが、コンビニをはじめ大手スーパーなどの有料化が始まりました。

全国くるま旅をしていて地元のスーパーで買物をする機会があります。
そこではほとんどがレジ袋有料化でした。都会よりも地方の方が進んでいることに気づかされました。

こうした取り組みは廃棄物・資源制限、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などへの対策の一環として過剰な使用を抑制するために世界的規模で進んでいます。

ブログの読者の皆さんも環境に配慮した考えで買物袋持参でスーパーやコンビニに行かれている方は多いと思います。
私も毎日の買物はマイバックで買物しています。ポイントが付いたり、2円引きなどの特典がありました。

 

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私は35年間小売業(スーパー)にたずさわってきました。
働いていた職場では、10年前にレジ袋有料化を始めていました。当時でも約半数以上のお客様はマイバックを持参していました。
そういう意味では、国や自治体などの行政が決めて施行する制度より民間の方がいち早くその対応に乗り出し、実際に利用するお客様の方が環境に対する意識は高いと思います。
導入当時、レジ袋有料化に対してお客様からの不満の声はほとんどありませんでした。

ではなぜ民間企業がそうした環境に配慮した取り組みを率先して行うのか?

例えば、「ISO」という活動があります。
このISOは、国際的に運用する規格を制定したり、組織の品質向上や環境活動を管理する仕組み(マネジメントシステム)も制定しています。
多くの企業が主にISO9001、ISO14001を推進しています。
各企業の本社ビルや工場、又、配送車などにこのISOの表示をして宣伝している広告をよく見かけます。

ISO 9001:顧客に提供する製品・サービスの品質を継続的に向上させていくことを目標。
ISO14001:サスティナビリティ(持続可能性)の考えのもと、環境リスクの低減や環境への貢献を目指すもの。

企業や工場などから出される廃棄物の削減、ペーパーレス、配送車のハイブリッド化、部品類の共有化・・・。
スーパーでのレジ袋削減もその一環として実施され、又、食品ロスを防ぐためのフードバンク活動もその一例です。

こうした環境や品質に配慮した経営は、企業の様々な活動の負担を軽減し、又、顧客から見た企業イメージや好感度につながることから推進していると思います。

 

SDGsの取り組みに思うこと

 

こうした中、最近よくSDGsのロゴマークを見かけます。

 

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SDGs(エスディージーズ)とは
2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(行動計画)」で示された国際目標(Goals)です。
貧困・格差の撲滅をはじめ、気候変動、自然災害、感染症といった地球規模の課題に取り組み、持続可能な世界を実現すべき目標を制定する。
17のゴール(目標)が示され、2030年までに達成することを目指す。
SDGs関連サイトより抜粋

 

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街角や新聞などでもSDGsのロゴマークを見かけます。

 

こうした世界規模での取り組みはたいへん素晴らしいと思います。

国としてどのような施策が打てるのか、企業としてどのような取り組みが可能か、そして、個人として何ができるのか、それぞれの立場に立って考え行動することが大事なことだと思います。

しかし、国や企業によってはこのような考えを称賛し理念とする一方、実際の行動は真逆のことが行われていることに違和感があります。

その一例として、東京電力ホールデングスHPのトップメッセージでは次のようなことが書かれています。

東京電力グループでは、環境保全を経営の重要課題の一つとして位置づけています。
福島復興への責任を全うしつつ、持続可能な社会づくりに貢献するため、グループ一体となり、企業活動のあらゆる局面において環境に配慮し事業運営を行ってまいります。
国連「持続可能な開発目標(SDGs)」採択、COP21でのパリ協定採択・・・地球規模の課題解決に向けたさまざまな動きが具現化しています・・・。
具体的には、高効率火力発電の導入・運用、再生可能エネルギー拡大等の推進、CO2削減に寄与する原子力発電については、安全性の確保を大前提としつつ、地元の皆さまのご理解をいただけるよう活動を進めてまいります・・・。
トップメッセージ

このメッセージの中では「持続可能な社会づくり」、そして「SDGs」についても触れています。

現在の東京電力は、福島復興への責任がとられていません。今でも訴訟裁判や原発による放射能大気汚染・海洋汚染が続いています。
こうした事態を招いているにも関わらず、高効率火力発電の導入・運用?、更には原発の再稼働?・・・。
まったく呆れて言葉も出ません。
これが電力供給という社会的責任と任務を負っている大企業のメッセージとは思えません。

メッセージの言葉にある、
持続可能な社会づくり、環境保全、環境に配慮、福島復興への責任、SDGs、COP21、地球規模の課題解決、再生可能エネルギー拡大、安全性の確保、地元の皆さまのご理解・・・。
これら全ての言葉はぜひ省いていただきたいと思います。
なぜなら全くできていないことであり、取り組む姿勢がないからです。

長文のメッセージからその言葉を除けば、ほとんど文章にはなりません。後に残るのは高効率火力発電と原子力発電ですね!

説得性のある言葉だけが独り歩きして、実際にやっていることは真逆なことです。

ちなみに、東京電力だけの天下りはエネルギー事業の主幹である経済産業省を中心に70人超(2015年時点)のようです。
その他の大手電力会社を含めればどのくらいの官僚OBが天下りしているか?想像するだけでも恐ろしいです。

先日、コロナ危機に伴う持続化給付金事業の「電通」丸投げ疑惑がありました。
この時、電通への天下りが14人と報道されていました。

現政府のエネルギー方針は、原発と石炭火力を「重要なベースロード」として閣議決定しています。
電力会社に限らず官僚が民間に天下りすることで私たちの大切な税金が ”一部の利益共有” に使われていることに注視しなければならないと思います。

 

 

内閣(首相官邸)は2016年5月20日に、総理を本部長にする「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」を設置しました。
同本部のミッションは、行政機関の連携を図ることと、効果的にSDGsへの取り組みを推進することです。
同本部は「SDGs実施指針」を改定し、「SDGsアクションプラン2020」を決定しました。
SDGs実施指針では、日本は、持続可能な経済・社会づくりに向けた先駆者(課題解決先進国)として、引き続き、世界のローモデルとなり、世界に日本の「SDGsモデル」を発信し、国内外においてSDGsを達成する目指す。
SDGs関連サイトより

ここにも東京電力ホールディングスと同じように、SDGsの本来の目的と真逆のことを行っているにも関わらず、SDGsという言葉を使ったすり替えがあります。

今の安倍政権の政策が遂行され続けるとすれば、SDGsとは反対に、

貧困や飢餓が増える、すべての人に福祉が行き届かない、ジェンダー平等が実現しない、安全な水が確保できない(民営化)、エネルギー政策は危険な原発へ、8時間働いても生活できない(非正規雇用の拡大、低賃金長時間労働)、不平等の拡大、日本の伝統的ものづくりが後退、気候変動への対応ができていない(目標がない、低い)、海洋汚染と農業の破壊(自給率低下)、公正は自ら破る・・・。

もう書ききれませんよ。

ほとんど17項目の目標が真逆なんです。今、そうしたSDGsを騙る政治が行われています。

 

レジ袋削減の話から地球温暖化、環境問題やエネルギー問題、そして、持続可能な社会づくりまで大きな話に及びました。
私たちの生活の中で一人一人が環境に配慮した取り組みは小さなものです。
しかし、こうした考えや行動を続けることは大切なことだと思います。

20年以上前の話になります。
勤めていた会社(スーパー)で「ハチドリキャンペーン」というマイバック普及活動がありました。
これは、南米のアンデス地方に昔から伝えられたお話で、「ハチドリのひとしずく」という本が刊行され、それに基づいた地球環境保全活動の一環でした。

詳細については省きますが、要は「私にできること」の行動の一つとしてマイバックを販売しました。
このマイバックにはハチドリの絵柄がデザインされ、多くのお客様が購入してレジ袋削減に貢献されていました。
私も何年?いや十数年も持っていました(笑)

 

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私たちの小さな行動は意味のあるものだと思います。

一方でそれとは異なる行動も起きていることに注視する必要があると思います。
国家レベル、大企業レベルで「持続可能な社会づくり」を騙ることをハッキリ見分けることも大事なことではないでしょうか。

 

SDGsのロゴマーク、街角や広告などで見かけることがあると思います。
立ち止まって考えていきましょう。

2 thoughts on “レジ袋有料化

  1. お気持ちは、よ~くわかります。
    詭弁を駆使し、不都合なことには答えない。

    「九思一言」と言うように、もの申すには9度考えて言葉を選ぶそうですが、一国のリーダーな
    ので誠意が伝わる重みのある発言をしてほしいものです。
    でも選んだのは国民なので、すーさんや私の様な少数派には辛いです。

    そんなリーダーを当てにするのではなく「一燈照偶、万燈照国」を期待して「私にできること」
    から始めたいですね。

    私のマイバッグは風呂敷です。
    台湾のスーパーでレジ袋を断り、おもむろに風呂敷を出し器用にバッグを作ると、注目されま
    す。
    1メートル角の和柄の綿生地を愛用しているので、重宝です。
    また冷房のキツイ車内では毛布代わりにしたり、ショールやマフラー代わりにもなります。

    ご存知だと思いますが、風呂敷の包み方はお洒落なんですよ。
    日本古来の文化を粗末にしないで、もっともっと活かしてもらいたいですね。

    https://kyofuroshiki.com/tutumiitiran/

    1. Rockyさん

      >「一燈照偶、万燈照国」(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこう)

      初めて聞く四文字熟語でした。知らなかったので調べました。
      う~んなるほど! 言いたいことが一言で表されていますね(笑)
      いつもコメントで教えていただいていますが、Rockyさんはこうした昔の言葉をよくご存じですね。たいへん勉強になります。
      昔の人はすごいですよね。
      「私にできること」~まさに言うまでもなく、この言葉の意味のとおりです。

      >マイバックは風呂敷

      いやいやすごいですね~! 日本で買物していてもやっぱり注目されますよ(笑)
      風呂敷は万能と言われていますが、最近ほとんど見かけません。
      粋な感じで却って素敵ですよね。
      これも昔の人の知恵から作られたものだと思います。
      こうした文化も大事にしていきたいと改めて思いました。

      コメントありがとうございました。

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