核家族の進行と価値観の多様化
私たちのような年代になると、親の介護や更には直接親の葬儀に関わりを持つようになります。
又、同時にこれらのことを通して自分たちのことも考えるようになります。
自分たちはまだ先だからと言っても、「俺たち(夫婦)はどうしようか」と語り合うこともあるのではないでしょうか。
以前より義弟から「オヤジとおふくろのことをそろそろ考えておこうと思うんだけど」と何度か相談がありました。
すでに90代半ばの親のことを考えた時、代々受け継ぐお墓もなく無宗教ということから特に決まってはいないことからでした。
義父もそのことを考えていたようで、最期は土に還りたいという気持ちもあり、最近話題になっている樹木葬のことを話していました。
そんな話が出ている時に、先日ご近所の親しくしている方から「親族を樹木葬にしたい」という話を聞きました。
候補地は決まっているようで、私が現地まで運転して同行することになりました。
自分の親のことや自分たちのことを考える上で参考になるものでした。
車で1時間弱の丘陵地帯にあるお寺の一角に樹木葬のエリアがありました。
緑が多く自然豊かな広々とした場所でした。
一般の墓石のお墓は、まだたくさんの空きがありました。
こんないい場所なのに「かなり空いているね」とちょっと疑問に思っていました。
こちらが樹木葬の場所です。(墓石エリアの隣にありました)
墓地にはハーブが植えられていて、草をちょっと撫でてみるといい香りがしました。
周りは樹木に覆われ花壇にはいろいろな花が植えられています。
ペットと一緒に眠るエリア 女性だけのエリア
女性専用のエリアがあることに驚きました。美しいモニュメントで飾られていました。
係員の話では、
「お嫁さんは嫁いだ家のお墓に入ることが当たり前の考え方でしたが、嫁ぎ先のいろいろな人間関係(舅、姑など)の複雑化で、同じお墓に入りたくないという方が増えてきています」と言っていました。
時代が変わればいろいろな考えがあり、これも価値観の多様化なんですね。
又、愛するペットと同じ墓に入りたいということで、ペットと一緒に眠る専用エリアがあることも印象的でした。
これも多様化しているあらわれだと思いました。
この平たい石の下には200人(定員)の方が眠っている合同葬のお墓です。
グリーンのハーブが植えられている所が樹木葬のエリアで個人のお墓として販売されているようです。
価格は異なり、個人用(ハーブエリア)の方が高いです。
先ほど、疑問に思っていた一般の墓石のお墓がたくさん空いていたことに合点がいきました。
この平たい石のスペースに200人の方が眠っていることは、それだけ樹木葬を希望する方が多いということなんですね。
この平たい石は複数個所ありましたが、すでに半分以上埋まってる状態だそうです。
こちらは別の場所にある樹木葬です。こちらはハーブではなく芝生でした。
こうした区画が6ケ所ありましたが、その内4ケ所はすでにいっぱいでした。
樹木葬が増えてきているのはここ10年位だと係の方が言っていました。
これほどまでに多いとは思いませんでした。これも時代の流れなんでしょうか。
樹木葬についてちょっと調べてみました。
樹木葬が選ばれ始めた5つの理由が記載されていました。
■価値観の多様化
個人や個性を重視する考え方が主流になってきた。これに伴い葬儀の方式やお墓に対する考え方も多様化し、新しい葬送が認知され支持されるようになってきて選択肢が増えてきた。
■墓の継承者がいなくなった
核家族や少子化に伴い、伝統的な墓を継承するという考え方がなくなりつつある。人々の活動範囲も昔は狭い地域であったが、いまや広範囲になってきていることから「お墓の管理」も困難になっている時代になってきた。
■好きな人、好きなペットと眠りたい
故人の意思を表現できるお墓。(先ほどの女性だけのお墓やペットと一緒に眠りたいというもの)
■経済的な理由でお墓にお金をかけたくない
現代では「個人」がどう生き、どのような一生を終えるのかを大切に考えられている風潮がある。お金をかけたくない、家柄や宗教にとらわれず、自分らしい場所で眠る場所を選びたい。
■最後は緑や自然に還りたいと願う人が増えている
このブログは樹木葬を宣伝するものではありません。
あくまでも時代の流れの中で変化してきた傾向なんだと思います。
代々受け継がれてきたお墓を大事にする家も当然あるでしょう。そうした想いも大切にしていきたいと思ってます。
個人の考えはさまざまです。
個人や家族が納得して選択すればいいと思います。
まだ先の話ですが、私たち夫婦の場合は多分樹木葬になると思います。
カミサンはペット(猫)と一緒に眠りたいと言っています。
自分たちのことは自分たちが希望するかたちであればと思っています。
今晩は。
今回も興味深い内容です。
お墓の現状をいつでしたか、「朝日新聞」でシリーズで取り上げていました。
それだけ様々なことが起きているのだと思います。
2,3日前に「熟年万歳」とかいうフリーの小雑誌を眺めていましたら、
この「樹木葬」の案内が出ていました。
我が家は子供のいない家庭ですので、お墓には入らないと思います。
海に散骨でも良いと思っていますが、問題は夫の家の「お墓」です。
夫の祖父母と父親が入っています。
「お墓」は日本の文化でもあるのかもしれません。
私も何の疑問も持たずに死んだら「お墓」に誰も入ると思っていましたが、今は疑問
に思います。
年代によって考えもかなり違うと思いますが、やはり現実があります。
私は仏教徒でないのでよくわからないのですが、戒名とやらに違和感を感じていま
す。
どんな生物にも必ず息絶える時がやってきます。できたら土にかえる「樹木葬」も
一つの選択肢ですね。
>愛猫と一緒の墓
私も二匹の愛犬の眠るお墓でもいいな・・・と思うときもあります。(笑う)
Roseさん
お久しぶりです。
新聞にもこうした社会状況の変化の記事が掲載されていたんですか。
以前にもテレビ番組で「終活」についての特集がありました。
その時の話は「墓じまい」のことでした。もうこの後だれも管理する人がいなくなるということでお墓をなくす方の取材放送でした
時代が変わればいろいろな考えや行動が起きてくるんですね。
私たち夫婦も海に散骨という方法も考えてみたことがありました。
しかし、海は冷たいしどこかに流れていってしまうんじゃないか、なんて思ったりしたことから止めました(笑)
やはり最期は土に還りたいという思いがありますね。
樹木葬は公園風になっているので、お墓参りに来たという感覚ではないようです。
係の方が話していましたが、遺族の方が楽器(バイオリン)を持ってきて演奏したり、生前故人が好きだったコーヒーを豆から挽いて飲んでいたり、家族でお弁当を持ってハイキング気分で来たりする方がいると言っていました。
確かに言われてみれば、そんな雰囲気の場所でした。
時代が変われば、いろいろな考えや行動が生まれてくるんですね。
コメントありがとうございました。