庭園に囲まれたこれぞまさに天空の楽園!
北アルプス最深部 ~ 雲ノ平山荘
「もう一度行ってみたい場所は?」と聞かれたら、私は雲ノ平山荘を筆頭に挙げる。
そこは、黒部源流域に位置する広大な溶岩台地にあり、ハイ松と点在する池塘がまるで日本庭園を彷彿させる。更に、夏はハクサンイチゲ、チングルマのお花畑が一面に広がり、まさに「天空の楽園」という言葉しか出てこない。
周囲に目を向ければ、岳人たちが憧れる北アルプスの名峰がズラリと取り囲み、その雄姿を眺めているだけでも時間が経つのを忘れてしまう。
ビール・珈琲を飲みながら一日、二日ゆっくりしたい山荘
雲ノ平に行くには、主なルートとして3つあります。
■新穂高温泉から鏡平、双六、三俣蓮華を通過し、黒部源流を渡って行くルート。
■大町の高瀬ダムから烏帽子、野口五郎、水晶をとおる裏銀座から入るルート。
■富山の折立から太郎平、薬師沢を渡り、雲ノ平に登るルート。
いずれのルートも途中1泊か2泊しないと辿り着くことができない北アルプス最深部です。
これはあくまでも登山口からのルートであって、関東・関西方面から行くのであれば、登山口までのアクセスを入れて、更にもう1日か半日の時間を要することになります。
雲ノ平を取り巻く日本百名山は、薬師岳・水晶岳・鷲羽岳・黒部五郎岳の四座あります。
その他、通過していく名峰として、北ノ俣岳、双六岳、三俣蓮華岳、野口五郎岳、烏帽子岳、祖父岳など名だたる山々が鎮座しています。
このため、これらの峰の登頂を目的とする登山者たちにとっては、雲ノ平はその通過点という存在になりがちです。いや、ピークハントの目的だけであれば、通過しなくても峰から峰への縦走で達成することができます。なんと残念なことでしょうか。
私としては「もったいない」という言い方を、こういう時に使いたいです。
黒部五郎岳をバックにした雲ノ平山荘 自然庭園の中を木道がどこまでも続く
木道脇には一面のお花畑 祖母岳から望む水晶岳
雲ノ平の真っただ中に立つ山荘 入口受付
談話室 2階
2階 トイレ
食堂兼ラウンジ 食堂からの風景
食堂でのひととき
スイス庭園から望む水晶岳 庭園の中を木道がどこまでも続く
「山と山小屋」シリーズ つづく