登山の準備

日本百名山踏破に向けて

最も困難と思われる山は?

 

退職後、日本百名山登頂をひとつの目標に掲げました。
まだ働いていた頃は、百名山を意識することなく趣味として登山に親しんでいましたが、時間的な余裕が生まれたこともあり徐々にその想いが募るようになってきました。
山に登り季節ごとの草花を鑑賞し、絶景を眺めることで十分満足すると共に、更に一つ一つの山を踏破し数えていくことが励みになってきたように思います。

こうした中、”百名山を目指す” 多くの登山者との出会いがありました。
その中には20~30代の若者もいますが、多くは私同様に退職されたシニアの方々が圧倒していました。
私の場合、百名山が集中する北・南・中央アルプスや甲信越エリアなどに比較的近い関東に住んでいたため、主に交通面での利便性があったと思っています。
これが北海道、九州在住の登山者が目指すともなればいかに大変なことかと思うばかりです。

今回の九州くるま旅では、久住山、阿蘇山、祖母山の百名山を登ったことで登頂数82座になりました。
九州で出会った登山者の中に宮崎県在住の方がいて、その方も百名山を目指しているとのことでした。
九州から北・南アルプスや東北エリア、更には北海道まで足を伸ばして出かける困難さは大変だと語っていました。
私も九州観光も併せてこの3座を登ったとはいえ、やはり関東から九州の山々の登山口までの道のりは、長かったな~と強く感じるものがありました。

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難易度・体力度よりも ”登る条件面” が?

 

日本百名山の話の中でよく話題になるのが山の標高や険しさがあります。
「最後の急登が厳しかった」「岩場、ガレ場で滑ってしまった」「カニのタテバイとヨコバイには肝を冷やした」・・・。

又、山岳専門書や登山ガイドブック、ネットでは、よく百名山ランキングがあったりします。
例えば、標高、難易度、体力度で星の数が記されていたり、上級者向け、中級・初心者向けなどと表記されたりしています。
これは主に登山口からの標高差、コースタイムや日数、雪渓やガレ場の危険度など総合的に判断された基準で評価されています。
その上位にランクされる山として、剣岳、槍ヶ岳、穂高岳、鷲羽岳、水晶岳、北岳、悪沢岳など・・・、主に北・南アルプスに集中しています。

私もこうした難易度の高い山に過去何度か登ったことで、「なるほどそうだよな~」と思うことがあります。
しかし、これらは ”山自体の難易度” であって、出発から帰宅までの ”条件面を含めたより総合的な判断” で考えた場合、果たしてそうなのだろうかという思いがあります。

昨年、北海道にある百名山9座の内4座登りました。
今年計画している北海道旅では、残り5座登る予定で準備を進めています。
この中に ”幌尻岳” があります。
この山は日高山脈の主峰で、標高差、ルートタイム、行程日数などにおいて北・南アルプスにも劣らない難易度の高い山です。

昨年からこの幌尻岳の情報を集め検討していく段階で様々な条件面を考慮した時、一筋縄ではいかない最も困難な山ではないかとその思いが募りはじめました。
それは、”山自体の難易度” は、個の力量で達成できるものですが、それ以外の登るための条件が多いということからです

■幌尻山荘の宿泊は全て予約制(定員50人、素泊まりのためシュラフ、食料持参)
■登山口までのシャトルバスは全て予約制(往路1日4便、復路3便)
■額平川の渡渉十数回(百名山で唯一の渡渉、雨天などによる増水時は登山不可能)
■登山基地の「とよぬか山荘」、又は、その周辺で前泊が必要(山荘宿泊者以外の駐車スペースなし)

個の力量とは別にこれだけの条件がある登山は初めてです。
この中の条件一つでも欠ければ登山が出来ない、又は、難しい状況になります。
例えば、難易度の高い剣岳や槍ヶ岳であっても、登山基地(室堂、上高地)までの交通機関は充実しています。
更に、渡渉もなければ山小屋の予約も必要ありません。
極端な言い方かもしれませんが、百名山の内99座は個の力量で達成でき、出来ない山はこの1座なのかもしれません。

幌尻山荘の予約開始は、今年4月2日からでした(7~9月予約分)
残雪や台風(増水警戒)の時期を除けば、予約希望が集中する期間は限られています(7月中旬~8月中旬)
そうしたことから全国から予約が殺到し、予約開始初日早々(4/2)は全く連絡がつきませんでした。
ようやく電話がつながった時はすでに希望日は満室だったので、3日ずれて予約を入れることができました。
皆さん考えることは同じなんですね(笑)

 

渡渉のための専用靴

 

幌尻岳登山は、額平川(ぬかびらがわ)の渡渉が十数回(15~17回位)あります。
当然通常の登山靴では渡ることができないため、沢歩き専用の靴を用意しなければなりません。
聞くところによると釣具店で販売されている地下足袋を利用する登山者もいるようです。

最近ではアウトドアスポーツとしてシャワークライミングが流行りのようです。
特に沢歩きに特化した靴ということで、先日モンベルで購入しました。

 

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モンベル「シャワークライミング用フットウェア」 14000円

 

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沢といっても多分膝まで浸かるくらいの川ですから靴全体が濡れてしまいます。
靴底は岩やコケなどの滑り止めとしてしっかりしているので安心です。

昨年9月、幌尻岳登山パーティが額平川渡渉時に3人が流されて遭難した事故がありました。
ヘルメット、ストック含め最低限の準備は怠ることなくしていきたいものです。
※ブログ「パーティ登山」(幌尻岳遭難事故)

 

素泊まりの山小屋泊、避難小屋泊では食料を持参することになります。
パーティ登山であれば食料や調理器具などを分担して持っていくことが可能で、皆でワイワイ言いながら調理するのも楽しみのひとつです。
私のような単独行の場合、調理するというより簡単な食料で済ませることが多いです。
数年前まではお腹が一杯になればいいというような簡易食料品が販売されていましたが、最近では味にもこだわりを持つ食品が増えたことで助かります。
以前は缶詰を持っていったことがあります。しかし、やっぱり缶詰は缶詰独特の味なんでどうしても食欲が湧きませんでした。
これだったらカップ麺の方がよっぽどいいなと思ったくらいです(笑)

 

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各種リゾッタ類 421円(税込み)     ヌードル、どんべい 151円(税込み)

最近の携行食品は種類も豊富で味も良さそうですね。お湯を入れるだけで熱々の食事ができます。
カップ麺もカップなしなのでかさばらず荷物も最小限で携行できます。
普段あまり食べることがないカップヌードルは、山で食べると実に美味しいんですよね、どうしてなんでしょうか(笑)

 

ついでにチェーンスパイクも買っちゃいました。
雪山はやらないので本格的なアイゼンは持っていません。
残雪用として4本爪と6本爪の軽アイゼンだけでした。
最近では着脱が簡単にできるチェーンスパイクが流行りのようです。いざという時、気軽に使える道具の方が使い勝手がよく便利だと思います。

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モンベル「チェーンスパイク」 4937円(税込み)

 
日本百名山登頂を目指している全国の登山者は数多くいます。
今年も多くの登山者が北海道の大雪山、十勝岳、羅臼岳、利尻山・・・そして、幌尻岳にもやって来るでしょう。
南は九州、四国から、関西、中京からも、そして関東からも。
中にはピークハントだけでなく縦走する登山者もいるでしょう。
北海道までの長時間の移動距離、道内でのアクセス、数日間の滞在、決められた日程の中での天気など、単に難易度が高い山という困難さだけではない様々なリスクやストレスもあるのではないかと思います。

そこまでしても登りたいと想う気持ちは、百名山を目指す登山者に共通したものではないかと思います。
このことは登山に限らずいろいろな趣味の世界に共通するものではないでしょうか。
費用や時間がかかってでも登ってみたい、理屈ではないんですよね。

皆さん山が好きなんだと思います。
こうして準備するのも楽しいんです(笑)

10 thoughts on “登山の準備

  1. 靴の使用感が、ぜひ知りたいです。
    シャングルの川を横断する時に、ビーサンの上に靴下はいて補強しましたが
    親指の間が痛かった。
    恥ずかしいですが、パンツ一丁で川渡る(笑)

    次回は、キーンというメーカーのサンダル購入しようか?と迷ってます。
    沢歩きの靴のほうがいいかも?
    わたしは女性なんで、重量が大問題です。
    少しでも軽く、履き替えの手間なくです。

    あと、缶詰め重たいんですよね。
    そこは、ポーター余分に雇えばいいんですが。
    わたしは、鯖の味噌煮一筋です。

    計画してる時が楽しい。
    実際のハプニングも、もちろん楽しい。

    登山は、難しい。
    登りたい山と登れる山が違うもんね。

    1. ヒロさん

      コメントありがとうございます。

      キーンというメーカーのサンダルは知りませんでした。
      ちょっとネットで調べてみました。
      「KEEN(キーン)」は、”サンダルでつま先を守る” ことをコンセプトに開発されたと書かれていました。画像も見ました。サンダルとシューズ感覚、水陸両用のサンダルなんですね。
      ジャングルの川を想像してみますと、石、岩、コケ、水草、更には砂、沼地など様々な川底が想定されます。
      そうした川や沢、沼地を渡るとなるとハイカットやローカット(くるぶしや足首までの保護)の靴の方が良いのではないかと思います。
      つま先を守るサンダルといっても、川底の様々な状態でどうしても足がぐらついてしまう恐れがあると思います。
      どのくらいの時間と距離のジャングル歩きをするか分かりませんが、靴とサンダルを履き替えながら歩くというよりも、沢歩き用の靴を履き続けていく方法もいいのではないかと思います。
      但し、持ち運びということでは、重さやかさばる点が気になりますが。

      鯖の味噌煮は美味しいですよね。缶詰持参というのであれば、私もこの缶詰を持っていきます(笑)

  2. 色々調べて頂きThanksです。

    モンベルに行って履いてみますね。
    サンダルより靴のほうが安定すると、わたしも思うんですよね。
    ビーサンに靴下はいて川渡ったんですが、深くて危険でした。

    ハイカットの登山靴は、水につかると重くてしょうがない。

    無事に100名山制覇して下さい!

    1. ヒロさん

      そうですね。
      モンベルなどのアウトドア専門店でいろいろとアドバイスを受けたほうが良いと思います。
      他に沢歩き用で軽量の靴もあるかもしれません。
      水に浸かって重くなるかもしれませんが、ある程度の距離・時間を歩くと意外と気にならなくなると思います。

  3. ヒロさん
    キーンのサンダルいいですよね。でも少し重いかな?
    すーさん モンベルはコストパフォーマンス最高ですよね。
    私の大好きです。
    パンダより

    1. パンダさん

      コメントありがとうございます。

      一昨日から幌尻岳に登ってきて今日下山しました。
      今回紹介したモンベルの「シャワークライミング用フットウェア」を始めて使いました。
      渡渉20回の沢歩きはとても快適で機能性は抜群でした。
      詳細については、この後「幌尻岳登山」と題してブログアップしますので、ぜひ覗いてみてください。

      今回も登山中、多くの登山者のウェアや装備品を見てみましたが、やはりモンベルが圧倒的に多いですね。品揃えの豊富さとパンダさんがおっしゃるようにコストパフォーマンスがいいからなんでしょうね。

  4. すーさん
    これからも素敵な旅情報をよろしくお願いします!
    とても参考になるし、いつかは私も実現したいです。
    モンベルは大学の登山部の学生なんかも使ってますね。
    私はミレーというブランドが好きなのでヘビーユーズしています。
    これからもどうぞよろしくお願いします。

  5. パンダさん

    コメントありがとうございます。
    私たちの旅情報がお役に立てればとても嬉しいです。
    少しでも皆さんの参考になればと思います。

    私は主に登山装備でモンベルを利用しています。
    登山に行くと多くの登山者がモンベルを利用しているのが分かります。
    多分5割以上ではないかと思います。若者からシニア世代まで幅広い世代に支持されているようですね。

    これからも旅に関することについて、いつでもコメントください。

    1. 匿名さん

      コメントありがとうございます。
      ファッショナブルなインナーダウンですね。
      モンベルの人気の良さは、こうしたファッション性のあるアウトドアウェアにあるんじゃないかと思います。
      今回のインナーダウンカッコイイですね!

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