同期会

特別な仲間たち

脱サラした同期の居酒屋(バー)で再会

 

あれからもう40年・・・。

同期入社した仲間たちとの再会は9年振りでした。
定年退職する年代になると一般的にOB会というかたちでの集まりが多いように思われます。
こうした集まりは定期的に行われていますが、同期会となるとその頻度は少なかったです。

会社での同期というのは、学生の時の同級生と同じように ”最も親しみのある仲間” という思いがあります。
時にはライバル意識を持ったり、時には悩みや苦労話を共有し合ったり・・・、何でも言い合える気軽さがありました。
こうしたことは先輩・後輩、上司・部下という関係とは全く別次元での付き合いができる存在なのではないかと感じるものがあります。
そういう意味では ”特別な仲間” というものなのでしょうか。

入社以来40年の歳月が流れ、今でも同じ会社に留まっている仲間は2割程度です。
昭和の時代から平成にかけて日本の終身雇用制は大きく変化してきました。
それは、オイルショック、バブル、バブル崩壊、リーマンショック、リストラ、低成長・・・こうした時代の変化の中、多様な生き方を模索していった時期ではなかったかと思います。

今では転職や起業というかたちで自分の能力を磨き、更に高みを求めていく時代になってきました。
こうした中、最後まで同一企業で勤め上げた人は勝ち組? という昭和時代の固定的概念(終身雇用)にとらわれているとすれば、それは大きな時代錯誤なのかもしれません。
逆にみれば、”まだしがみついているのか” というように「うちのカイシャ」意識に凝り固まってしまい、結果その後の生き方を見いだせないままで過ごすことになってしまうことも多々あるように思えます。

いずれにせよ、自分の進む道やどうしていきたいかという思いと実行があってこそ、その人にとって最良の人生になるのではないかと思います。

 

今回の同期会は、9年前に脱サラ(当時52歳)した同期が経営する居酒屋で行われました。
同期の中でも最も親しくしていた友人だったことから、退社する時はたいへんな驚きでした。同時に ”自分の道を行くんだな~” と思うところがありました。

彼は若いころから音楽好きで(主にロック、ギタリスト)、働きながらも音楽仲間や会社の同好会などでセッション、ライブ活動をしていたことがありました。
そんな趣味が高じて音楽好きが集まれる場、ミニライブを開くことができる場を作りたいという思いから音楽居酒屋(バー)の経営という道を選びました。

 

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東京小平市花小金井に店を構える「居酒屋ばんどまん

ロック、ジャズに限らず幅広いジャンルの音楽談義ができ、そんな音楽好きのお客さん達が支える街の居酒屋(バー)という雰囲気。

 

マスター(友人)いわく、
「酔った客や騒がしいグループ客はお断りだね。他のお客さんに迷惑をかける言動を起こす輩はすぐ追い出しちゃうよ(笑)」
彼の性格をよく知る私たち同期は、
「なるほどお前だったら、その対応はよくわかるよ(笑)」と。

「こんなことだから儲かんないんだよね~(笑)、でもそんな客が来ると大事な常連さんが来づらくなるからそれでいいんだよ」

そんな経営方針?を貫いてきたことから、確かに音楽好きのお客さんやゆっくり酒を飲みたいという紳士的なお客さんばかりでした。
静かなメロディーが流れる店内は、何かホッとさせる落ち着いた雰囲気を醸し出していました。

 

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彼が趣味にしているエレキギター(30本所有)やドラム、キーボードなどの楽器が所せましとセッティングされていました。
店のお客さんや音楽仲間などのミニライブが定期的に行われているとのことでした。

 

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TV番組の「モヤモヤさまぁ~ず」や「東京ウォーカー」などでも紹介されたそうです。
又、書籍「サラリーマン居酒屋放浪記」でも ”今宵は楽しい音楽会” という見出しで紹介されていました。

ちょうど私たちが同期会で訪れた時に、NHK BSプレミアム「TOKYOディープ」の取材の方が来られていました。
この番組は、都内の一つの街を週替わりのレポーターが取材し、その街で見かけた様々な伝統文化、職人、グルメなどを訪れ、地元の人だけにしかわからない、ディープな東京の魅力を全国に発信するもの。
ウィキペディアより

ちなみにこの「TOKYOディープ」で紹介されるのが、3月12日(月)の放映だそうです。

単なる飲むだけの居酒屋というよりも、何か特徴があってこだわりを持った酒場という点では、この「ばんどまん」はまさにそうした貴重なお店の一つではないかと思います。

こうしたコンセプトを大事にした店の切り盛りは、相方のママさんがしっかりと支えていました。
ホッとする家庭的な料理は、どのメニューも手抜きなく絶品でした。更には一品500円を超えないおつまみや料理は、お客さんにとってたいへんありがたいものではないでしょうか。
そんなママさんも音楽活動の相方として、今でも現役のボーカルとキーボードが担当だそうです。
これだったらこだわりのあるお客さんとも音楽談義につきることはないでしょう。

 
同期の彼とは会社時代の一時期、セクションは異なるものの本社のフロアで仕事を共にしたことがありました。
その頃、関係する業務の情報交換、酒を飲みながら仕事の愚痴をこぼしたり、時には帰社後プールに通ったりした時期がありました。
又、彼は、その後輸入のバイヤーとして数年間アメリカに駐在し、アメリカ国内を飛び回っていた時期もありました。
そんな彼は、そうした職を辞してまで趣味の音楽を愛し続け、その延長線上に自分の生き方を見出したように思います

サラリーマンとして最後まで全うすることだけが人生ではないことを彼から学んだように思います。
比較的安定したレールの上で過ごしてきたサラリーマンは、自分の意思でハッキリ決めた生き方を考えることなく退職を迎え、その後特に何もすることがない、趣味ややりたいこともないから取り敢えず働こうというのが一般的ではないでしょうか。
そのことがいいとか悪いとかと言うことでなく、”自分の意思” というものをもっと大事にしていきたいと思うからです。
なぜなら、ありきたりな言い方ですが、人生は一度しかないということだと思うからです。

四人が集った同期会は、仕事で苦労した頃の思い出や失敗談、笑い話とお互い退職後の生き方や家族、親の介護、自分の身体のことなど話は尽きませんでした。
そんな彼らは、やはり同期という一番親しい間柄ということもあって隠すことなく全てをさらけ出すことができる仲間でした。
そうした仲間たちは、今では60を超えお互い腹が出た、ハゲや白髪が増えたなどと言い合いつつ笑いが絶えないひと時でした。

人生の中でも貴重な宝物ではないでしょうか。

2 thoughts on “同期会

  1. こんにちは。花小金井に反応しました。
    三十数年前に所沢に引っ越してくる前の住まいが花小金井でした。約、4年間住みました。
    小金井公園も近く、水道道路も四季折々で変化があり、今でも好きなところです。

    今でも仕事仲間だった人が住んでいて、時々会いますよ。彼女はピアニストですから多分、この
    お店を知っていると思います。

    彼女もかなりこだわりのある人なのできっと気に入ると思います。

    1. Roseさん

      そうだったんですか~、花小金井にお住まいでしたか。
      実は私も学生の頃、一年間ほど小金井公園近くのアパートに住んでいました。
      四畳半一間の狭い部屋でトイレは共同でした(笑)
      近くに小金井公園があったのでよく散歩やキャチボールしに出かけました。

      ご友人にもぜひご紹介してあげてください。
      音楽好きの方でしたら歓迎してくれると思います。
      マスターは一見強面ですが(笑)、根はやさしく温かみのある方ですよ。
      オヤジギャグ連発のユーモアある人なんで、すぐに打ち解けられると思います。

      コメントありがとうございました。

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