我ら山岳会のホームグランド
コロナ禍の中、ガンバレ奥多摩!
現在、「登山・ハイキング」を愛好する人口は一千万人と言われています。
多くの趣味活動の中でも突出した数ではないかと思います。
これは誰でもが健康を意識して気軽に行動でき、四季折々の景色を楽しみながら自然と親しむことができるからでしょう。
そんな登山・ハイキングの行動者率を都道府県別にみると、東京都・神奈川県・埼玉県が年代別平均で各11%以上を占め高い傾向を示していました。
都・県民の一割以上の人たちが登山・ハイキングに親しんでいることが分かります。
(総務省統計局「社会生活基本調査」から)
年代別「登山・ハイキング」の行動者率と平均行動日数:男性の例(総務省統計局HPより)
これら首都圏の愛好者がよく行く山岳エリアは、東京都では高尾山や奥多摩、神奈川県は丹沢、埼玉県は奥武蔵や秩父などがあります。
そして、それぞれのエリアが比較的近く、登山口までのアクセス(電車、バス、自家用車)が整っていることから四季を通じて多くのハイカーに人気があります。
そんな登山者・ハイカーの聖地と言われる奥多摩は、我々山岳会のホームグランドです。
11年前、会社有志の声掛けから富士登山を始めたことがキッカケで、今では北・南・中央アルプスや甲信越の山々までその行動範囲は広がっています。
会の名前は、富士登山が起点となったことからその標高にちなんで「3776会」と命名しました。
現在のレギュラーメンバーは11人です。
それぞれ仕事を抱えながらの登山ですから日程調整が難しいです。
全員参加の登山もあれば、都合の合うメンバーだけで自由に行動できる気軽さがあります。
そんなことから結成以来50回を超える登山歴があります。
この奥多摩には、日本百名山の雲取山をはじめ、二百三百名山を有する奥多摩三山(三頭山、大岳山、御前山)などの名峰、更には御岳山、鷹ノ巣山、川苔山、高水三山、多摩湖周辺の低山などハイキング気分でトレッキングできるコースがたくさんあります。
交通機関も青梅線を中心に五日市線や西武池袋線が走り、最寄り駅からも路線バスがあることからアクセスが充実しています。
コロナ感染が全国に広がる中、各地の観光業界が大打撃を受けています。
ここ奥多摩においても例外ではありません。
年間で最も最盛期を迎える早春から新緑の頃にコロナ感染が拡がり、多くの登山者ハイカーが激減したことで地元の宿をはじめ観光施設に打撃を与えました。
NHK首都圏ニュースでも奥多摩の厳しい現状が伝えられていました。
そうした状況から、奥多摩町の飲食店を応援するクラウドファンディングのプロジェクトが始まり、全国から支援の申し出が相次いでいるようです。
奥多摩町のクラウドファンディングのプロジェクトに関する新聞記事(6/16日付朝日新聞)
「早くまた行きたいです」「頑張って」といったメッセージとともに支援金が寄せられているそうです。
奥多摩 民話の宿「荒澤屋」旅館
我々も山岳会のホームグランドである奥多摩町に何らかのかたちで支援したいという想いがありました。
コロナ禍のため、今夏計画していた北アルプス雲ノ平縦走を中止したことで、常宿にしている「荒澤屋」に皆で行こうということになりました。
7月中旬、メンバー10人で、”奥多摩支援を目的” に懇親会も兼ねて行ってきました。
一般的に被災地などへの支援というのは、カンパやその土地の物産品を通販で購入したり、ボランティア活動などがあります。
今回の場合、コロナ感染という異常な状況を考慮しなければなりませんが、”現地に直接出向き消費する” ということも大きな支援につながると思います。
このことは、今まで全国くるま旅をする中で、”被災した現地の声” としてあった体験からです。
首都圏から近いということもあり、お互いの顔を見て励まし合うことも大事なことだと思いました。
奥多摩駅近くのこの「荒澤屋」は創業百年の歴史ある旅館です。
登山の後に立ち寄って汗を流し、食事したりして利用してきました。又、毎年の新年・忘年登山では一泊二日の行程で利用し続けています。
コロナ禍の中、現地に出向くというのは難しいものがありますが、営業再開された宿では万全の体制で出迎えてくれました。
当日の宿泊者は我々だけで調整していただき、部屋の分散化、消毒液の設置や換気体制、カラオケ中止など・・・。
様々な配慮や気遣いがされていました。
我々の山岳会では、今年に入り会長から「会歌を作ったらどうか」という提案がありました。
曲を作るのは難しいので、山男の歌で親しまれている ”坊がつる讃歌のメロディー” に合わせた歌詞を作るということになりました。
俳句・短歌に長けたメンバーの一人が中心になって原案を作成し、メンバー一人一人からの意見・要望を取り入れて6番までの会歌が出来上がりました。
1~6番の歌詞には、今まで登ってきた山の思い出が込められています。
あの時、あの場所で仲間たちと共に感動した景色が浮かび上がってきます。
1.同じ山への憧れを胸に抱いて・・・、2.富士の山への憧れを・・・、3.穂高の夕日眺めつつ・・・、4.燧に至仏仰ぎみて・・・、5.丹沢尾根のシロヤシオ・・・。
皆で歌いながら、富士山、北アルプス、尾瀬、丹沢の山並みが目に浮かんできました。
そして最後の6番の歌詞は、我々山岳会のホームグランドの奥多摩で〆ています。
♬ 深山紅葉の奥多摩路 想いを馳せる里の宿 心優しい山男 3776山男 ♬
この歌詞の里の宿は、荒澤屋旅館です。
もちろん女将さんも一緒に歌いましたよ!(笑)
ということで、今回はコロナ禍の中、遠出や宴会自粛?などの厳しい状況下ではありましたが、出来るだけその対策に気を使い奥多摩支援と懇親会を行いました。
翌朝、旅館を出る時にご主人と女将さんとの恒例の記念撮影。
宿から駅までの道を歩きながら振り返ると、そこにはご主人と女将さんが手を振って送ってくれている姿がありました。
更に、橋のたもとまで来て私たちが見えなくなるまで手を振っているお二人の姿が忘れられません。
今度は年末の忘年登山にまた来よう!とメンバー全員決意した瞬間でした。
奥多摩は首都圏からの日帰り登山者・ハイカーが圧倒的に多いですが、日本百名山を目指す登山者も全国から来ます。
名峰「雲取山」登頂に来られる全国の登山者の皆さん、ぜひ麓の宿に泊り英気を養ってください。
荒澤屋旅館をはじめ多くの旅館・民宿があり、どの宿も心温まる歓迎をしてくれます。
今年はまだ厳しい状況にはありますが、コロナ禍の収束で今までの奥多摩に戻ることを願っています。
ガンバレ奥多摩!