山と山小屋 (10)

南アルプスの山小屋編

小屋間の距離が長い!?

 

「山と山小屋シリーズ」のブログアップが、しばらくの間滞っていました。
前回のシリーズ(9)から数えて4年半も経っていました。
「忘れちゃってたの!」と言われそうです(笑)

今回紹介する山小屋は、2016年に南アルプスを10日間縦走した時の記録を編集してみました。

南アルプスは、日本で北アルプスと二分する大きな山脈です。
多くの岳人たちが憧れる3000m級の山がいくつもあり、その醍醐味は北アルプスに負けないと言っていいのではないでしょうか。

そういう意味で、登山に関していくつかの点で北アルプスと比較してみると、

■登山口までのアクセスが長く時間がかかる。交通機関(規制)、ルートが限られている。
■一つ一つの山(山塊)が大きい。
■比較的森林限界が高いため、樹林帯の中を歩く距離が長い。
■山小屋間の距離が長く、長期縦走は避難小屋利用。

こうした地理的、交通上の理由から、素晴らしい山があってもどうしても敬遠されがちになることが多いようです。
働いていれば1泊2日や2泊3日あたりがせいぜいですから、なかなか登るチャンスがないことがいえます。

日本百名山登頂を目指している登山者でも何回かに分けて登られていることが多いです。
例えば、光岳と塩見岳、赤石岳と荒川岳(悪沢岳)、塩見岳、北岳と間ノ岳、仙丈ケ岳と甲斐駒ケ岳など。

こうした状況から南アルプスの場合、日帰り登山が出来ないので山小屋泊がどうしても必要になってきます。
これから計画されている方にとって少しでも参考になればと思います。

南アルプスの山小屋は、シュラフ持参の場合割引してくれる所が多いです。
山小屋によって異なるので、事前に調べて行った方がよいと思います。

 

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光岳小屋

南アルプス山脈の最南端に位置する光岳の頂上直下にあります。
光岳は百名山を目指す登山者にとっては、ルートとして南端にあることから少し行きづらい場所です。

 

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長野県側からのルートもありますが、出来れば茶臼小屋から目指す稜線ルートをお勧めします。
仁田岳、易老岳(いろうだけ)を通過しながらの稜線歩きは360度の絶景を楽しむことができるからです。
又、茶臼小屋から一日で光岳往復される登山者が多いですが、これは実にもったいないと思います。
稜線上の景色や草花を鑑賞し、更には光石でゆっくりくつろぐこともいいでしょう。

 

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当時は一泊二食で6000円で、夕食は山菜の天ぷらでした。
現在は素泊まりだけのようです(5000円) シュラフ持参は4000円のようです。

 

 

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聖平小屋

一泊二食7000円でした。現在は8500円のようです。
小屋の玄関に入った時、ウェルカムフルーツポンチ(一人一杯)が提供されていました。
ようやくたどり着いて疲れている中、なんとも嬉しい歓迎でした。
静岡県側の椹島(さわらじま)から赤石岳と聖岳の百名山二山を周回するコース上にあることから、人気のある山小屋です。

 

 

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百間洞山の家(ひゃっけんぐら)
一泊二食9000円でした。今でも変わらないようです。

この山小屋の名物は「とんかつ」です。登山者の間では評判です。
食堂のテーブル席は16席ありましたが、夕食時は8人づつ呼ばれて席につきました。
なぜ、一度に半数しか食事できないのか? 掲示板に書かれていました。

「当山の家では、揚げたてのとんかつを出しています。一回で8人のみの提供です」

なるほど!、山深き小屋で疲れた身体を癒してくれる揚げたてのとんかつが食べられるのであれば嬉しい限りですね。

 

 

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荒川小屋

荒川岳(悪沢岳)と赤石岳の中間にある山小屋。
椹島からこの百名山二座を周回するコース上にあるので、利用者の多い山小屋の一つです。
この山小屋には宿泊しませんでしたが、昼食にラーメン(1000円)をいただきました。
登山してると、ラーメンやカレーが食べたくなるんですよね(笑)

 

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中岳避難小屋

素泊まり6000円(夏季の期間中は管理人さんが在中)
荒川三山の中間にある中岳に建つ避難小屋。
素泊まりのみのため、シュラフと食料持参です。

 

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荒川岳(中岳)から三伏峠間の登山道は、南アルプス縦走の中で最も静かなルートです。
なぜならこのルートは、コースタイム8時間を要しほぼ一日かけての縦走路のため敬遠されがちです。

登山者の多くは、荒川岳と赤石岳、赤石岳と聖岳、またはこの三座をまとめて登るのが一般的です。
そして、三伏峠の先にある塩見岳は、長野県側からこの一座を目指して往復する登山者が多いためです。
やはり日数がかかるというのがネックになるため、荒川岳と三伏峠間のルートを使う登山者が少ないということです。

 

 

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塩見小屋

2014年に改装された比較的新しい山小屋。事前予約必須です。
寝具はすべてシュラフでした。南アルプスの山小屋はシュラフに切り替わっている所が多かったです。

一般的に三伏峠からこの塩見小屋を経て塩見岳に登る登山者が多いです。
塩見岳を目指すピークハントのため頂上往復の登山になりますが・・・。

 

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塩見岳を超えて進むと ”天空の仙塩尾根と庭園が広がる圧巻の景色”
仙塩尾根=仙丈ケ岳と塩見岳を結ぶ稜線

南アルプス縦走路の中で最も感動したルートでした。
特に塩見岳から北荒川岳間の約2時間のコースは、まるで天空を散歩するかのごとく360度の視界が広がり、低木のダケカンバとマルバタケブキが一面に広がる自然庭園が続いていました。

このルートもほとんど登山者を見ることがありませんでした。
この先は間ノ岳に通じていますが、距離があるため北岳・間ノ岳からの登山者は皆無です。
時間に余裕があれば、ぜひこのルートをお勧めします。

 

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熊ノ平小屋

間ノ岳と塩見岳の間にある山小屋。
一般的に広河原から北岳と間ノ岳を目指す登山者が多いです。
ほとんどが間ノ岳でUターンしてしまいますが、その先にある熊ノ平小屋に宿泊して塩見岳を目指すルートをお勧めします。
下山は三伏峠から長野県側に下りるコースになります。

 

南アルプスの山小屋を紹介してきました。
北アルプスに比べ登山者が少ないということもあり、落ち着いてゆっくりできるひと時を過ごせると思います。

2 thoughts on “山と山小屋 (10)

  1. 拙宅もいずれは夫婦で登山を楽しみにしています。出来れば夫婦一緒に宿泊で
    きればイイね、との事で個室有の山荘を選んでの山行計画かなぁと考えていま
    す。ブログを拝見すると本当に沢山の山にいかれてますね。凄いなあ~。是非参考
    参考にさせて頂きながら先ずは初心者向きの軽めの山行から楽しむつもりで
    す。

    1. ムクさん

      コメントありがとうございます。

      ご夫婦での登山はいいですよね。
      私たち夫婦は40代の頃から一緒に登山を始めました。
      山小屋によっては個室がある所もありますが、ほとんどの場合は相部屋です。
      個室は別料金がかかりました。私たちが経験した所では一室プラス1万円だった覚えがあります。
      例えば、燕山荘(燕岳)、白馬岳頂上宿舎などにありました。ただ、シーズンの混雑時は難しいようです。

      私たちも最初は近場の奥多摩や奥武蔵などの低山ハイキングによく出かけました。
      今思えばそれが良かったと思います。いきなり高山に登って怖い思いをしたら、本来楽しむはずの登山が嫌な思い出になり、続けることができなったかもしれません。
      自分たちの力量を知る上でも大事なことかもしれません。何よりも楽しく登山ができることが一番だと思います。

      ご夫婦でぜひ登山を楽しんでください。
      このブログが少しでもお役に立てれば嬉しい限りです。
      これを機会にまたお立ち寄りください。

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