消費税増税と法人税減税

2020年度予算案に思うこと

消費税収が最大税目!?

 

家計簿を付けている家庭は多いと思います。
一定の収入の中で毎月かかる費用を算出して、各費目にどの位のお金が必要なのか計算します。
収入以上に支出が多ければ預金をとり崩すことで対応したりします。
そしてなによりも、”ムダを省く” ことを考え、できるだけそうした支出を抑え、生活していく上で必要なところに充てていくようにしていると思います。

こうした考えと行動はごく普通なことではないでしょうか。

 

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安倍政権は20日、2020年度政府予算案と税制改定大網を閣議決定しました。
この内容については、すでに新聞・テレビなどのメディアで報道されているので詳細は省きますが、ポイントとして「消費税増税」「社会保障抑制」「防衛費過去最高」が注目する点だと思いました。

■消費税:税収の中で所得税収を抜き最多の税目。21兆7190億円。
■社会保障:自然増1200億円削減。35兆8608億円。
■防衛費:6年連続で過去最大を更新。5兆3133億円。

少子高齢化社会が進む中、社会保障費は増大してきています。
必要なところに必要な予算を充てることは、国民の生活を守るための最低限の措置だと思います。
消費税率を10%まで引き上げてきた「社会保障の充実」とはいったい何だったんでしょうか。

冒頭の私たちの家計と国家財政の使い道は基本的には同じような考え方だと思います。
毎日の生活に必要なところにお金を使い、ムダな支出を抑えていくことは当然ではないでしょうか。

 

法人税に着目したメディアの動き

 

税収について、今までのブログで現政府による ”法人税減税の政策” を何度も指摘してきました。
法人税を減税し続け、その減税分を消費税増税で穴埋めしてきたことです。
その結果、主に大企業を中心に内部留保が拡大し、その額は450兆円に至っています。

こうした指摘は、今までメディアで大きく取り上げることはありませんでした。
メディア自体もそうした企業の一つであり、又、スポンサーに対して配慮・忖度、あるいは圧力などがあり、あえてそのことに触れることがなかったのでしょうか?

しかし、最近になって法人税減税に異を唱える記事や報道を目にする機会が増えてきました。

 

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法人税は30年前から減少傾向で、消費税が穴埋めしてきた形。
消費税の増税で個人の税負担が増す中、企業を優遇して個人にツケを回しているとの批判が出ている。
景気に左右されにくいとされる消費税は、1989年の導入時から段階的に引き上げてきた。今回の税収見通しを90年度の税収実績と比べると、消費税が4.7倍に増えた。
対照的に、法人税は34%減少、所得税も25%減った。
法人税は税率が37.5%から23.2%に引き下げられ、所得税も高所得者にかかる最高税率が50%から45%に下がるなど、企業や富裕層に有利に制度が改正されてきた。
低所得者ほど負担感が強い消費税に頼る構図が鮮明になっている。
東京新聞 12月20日付

 

テレビ朝日「羽鳥モーニングショー」

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税収の内訳
消費税収は、来年度21.7兆円。1990年度と比較して+17.1兆円
法人税収は、来年度12.1兆円。1990年度と比較してー6.3兆円

 

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消費税については、専門家や学識者の間でも様々な意見・考えがあるようですが・・・。

 

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法人税の引き上げ⇒現在の20%台からアメリカ並みの20%後半~30%程度に
消費税を5%に引き下げ⇒最終的には0%にする

 

番組のコメンテーターが、「なぜ今まで国会が法人税減税のことを議論してこなかったのか?」という疑問を投げかけていました。
そして、「来年はこの法人税について議論されてくるだろう」と話していました。

 

政府と財務省は、なぜ消費税に頼る税制を推進しているのでしょうか?
それは、”景気に左右されない安定的な税収確保ができる” という安定財源の考え方からです。
景気が低迷し消費が落ち込んでも、一定の税収(消費税)が確保できるということからです。
一方、法人税の場合、景気に左右されやすく税収確保という面で不安定要素が大きいということからのようです。

こうした税政策は、法人税率を下げて経済活動を活発化させることが狙いのようですが、現実はその分企業利益は拡大(内部留保)するだけで、市場へのお金の流れは抑制され景気は悪化する一方です。

ブログ「歪んだ経済成長と政治」(2019/7)

 

2020年、どのような年になるのでしょうか。
こうした政治をはじめ、地球温暖化による自然災害の多発、世界的規模での格差と貧困の拡大・・・。

私たちの生活は全てにおいて政治と結びついています。
以前ブログで記した沖縄基地反対住民の言葉を思い出します。

「政治的でないことが世の中にあるなら教えてほしい。全部政治的です。つまり、モノを言わないことが政治的なんですよ」
何もしない、何も言わないことが中立だと信じる人は少なくない。何か行動を起こせば、周囲から「政治的だ」と揶揄されることも多い。だが、「何も言わない」ことこそ政権や政策を支持する立場の表明だ。

私たちの基礎年金はマクロ経済スライドによって削減され続けています。又、75歳以上の後期高齢者の医療負担も1割から2割(一定収入)へと拡大される見通しです。
社会保障において様々な削減や負担増が相次いで実施されようとしています。そして、消費税増税。

「何も言わなければ」そのまま進んでいってしまうでしょう。
具体的な行動を起こさなくても意思表示をハッキリ持つことは大事なことだと思います。

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