本仁田山

奥多摩三大急登を登る!

気になる日本の三大集・ベスト3

日本人ってどうして「三大○○」「三大△△」にこだわるんでしょうね。          そういう私もたいへん気になり、行って観たり、登ってみたり、体験したりしてみると何か満足感があったりします。スポーツ競技やイベント、○○大会などで3位入賞であれば注目されます。これが4位だとほとんど話題にはなりません。その典型はオリンピックです。金・銀・銅のメダルを獲得すればメダリストとして後世に残ります。         そういう意味で「三本の指に入る」というのは、どんなジャンルにおいてもまさに名誉なことではないでしょうか。

では日本三大集について手持ちの資料から調べてみるとたくさんあるんですね。          特に馴染みのあるものでは日本三景、日本三名園などあります。その他、三霊山、三名瀑三大鍾乳洞、三大清流、三大霊場、三大ダム、三大漁港、三大盆踊りなどあります。   これらは、日本を代表するベスト3ということになるでしょう。

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では、山についてはどうでしょうか。特にベスト3ということでなくても各地方の三つの山を総称して親しまれている山があります。例えば、白馬三山、越後三山、出羽三山などです。又、「日本三大急登」という名急登があります。これにはいろいろ諸説がありますが、山岳雑誌「山と渓谷社」(2012年8月号)の記事によると、            ■谷川岳の西黒尾根 ■烏帽子岳のブナ立尾根 ■甲斐駒ケ岳の黒戸尾根 が挙げられています。

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これは日本という大きなエリアの中で選ばれているものですが、各地方や山岳地帯において挙げられている急登もあります。                         私がいつもホームグラウンドとしている奥多摩にも「奥多摩三大急登」があります。これもまた諸説がありますが、一応ガイドとしては、                   ■鷹ノ巣山の稲村岩尾根 ■六ツ石山の棒ノ木尾根 ■本仁田山の大休場尾根(オオヤスンバオネ)  どの急登が一番厳しいかといわれても距離(時間)や標高差も関係しますので、一概にいえません。個人の感覚もあり、登った時の天候や気温、身体状況や登山道の状況などいろいろな要素も加わります。                             距離(時間)を除いて急登角度だけで捉えた場合、今回登った「本仁田山」が一番ではなかったかなと個人的に思いました。

 

見上げながら登る本仁田山(ほにたやま)

いつものように晴天日に的を絞って週間天気予報とにらめっこ状態が続き、ようやく3月17日(火)は一日晴れマーク。そのかわり気温も上昇する見込みから夏山装備で行ってきました。登っている最中は、ほとんどTシャツ1枚でも充分な気候でした。

IMG_4928  IMG_4923  「山と高原地図」5万分の1         出発点の奥多摩駅

IMG_4922  IMG_4882  奥多摩駅には登山届の提出場所があります。登山、ハイキングのメッカですから、青梅線沿いの各駅には必ず提出所が設けられています。

IMG_4884  IMG_4887 しばらく林道を歩きます          登山口の乳房観音

IMG_4888  IMG_4890  いきなり急登が目に飛び込んできました。  振り返ればこんな感じです。

IMG_4891  IMG_4893  左写真:高度を上げていくと目の前に鷹ノ巣山。右側の尾根が奥多摩三大急登の稲村岩尾   根です。登山口からの標高差約1100m、距離約4Kmの長い尾根道です。         右写真:奥多摩の主峰「雲取山」が見えました!(2017m、日本百名山)

IMG_4894  IMG_4895  大休場尾根にとりつくまでの40分間ほとんどこんな感じの急登が続きます。急登の場合、普通であればジグザグに蛇行した道が多いですが、ここはほぼ一直線に登っていく登山道のため角度が大きく急登と言われるのではないかと思います。

IMG_4896  IMG_4897  大休場尾根(おおやすんばおね)に出ましたが、さらに急登が続きます。

IMG_4901 ようやく頂上です(1224m) いきなり富士山が目に飛び込んできました。

 

IMG_4902  IMG_4906  頂上では二人のシニア登山者が昼食中でした。その後、ソロの登山者も到着してランチタイムです。いつものように食事をしながら皆さんで山談義に夢中になりました。

IMG_4907  IMG_4913  山のコーヒーは格別ですね。        下山は花折戸尾根で鳩ノ巣まで下ります

IMG_4911  IMG_4914  振り返って見た本仁田山          奥多摩の名峰 大岳山、御岳山

IMG_4916  IMG_4921  ようやく青海線が見えてきました      鳩ノ巣駅。電車で奥多摩駅に戻ります。

登山口の安寺沢から頂上までの距離は約1.6Kmで短く、歩行時間は1時間40分程度です。 標高差も680m程度ですが、距離が短い分角度がありほぼ直登ということから三大急登に挙げられたのではないかと思います。                        本仁田山は、鳩ノ巣から杉ノ尾根を登り、花折戸尾根を下ってくるコースが一般的のようです。又はその逆。(登り口と下山口が同じのため便利)               今回の大休場尾根からは私一人でした。急登ということもあって敬遠されるのかもしれませんが、鷹ノ巣山の稜線(石尾根)や雲取山方面の山並みを眺望しながら登ることができるので面白いコースです。

さて、次はどの山に行こうか?と思いながら奥多摩を後にしました。

ヤマレコ山行記録「本仁田山」