苗場山 (1)

秋の越後の名峰を訪ねて

山頂に広がる大湿原の草紅葉

 

今回のブログ「苗場山(1)」では、ダイジェスト版としての登山概要と写真を掲載します。
次回の「苗場山(2)」で登山の詳細をアップしていきます。

苗場と言えば、すぐに連想するのがスキー場ですね。
20年以上も前になりますが、一時期スキーが流行っていた頃に家族や友人などと何度か訪れたことがありました。
まだ、山をやる以前のことでしたから、苗場スキー場がある山が苗場山と思っていました。
多分少なからずそう思っていた方もいるのではないでしょうか。

その後、登山を趣味にして各地の山に出かける機会が増え、苗場山についても地図上で確認したところ、スキー場からは全く違う所にある山ということで驚きました。
埼玉からは関越自動車道を使えば意外とアクセスに便利な所にあるように思えました。
しかし、ちょっと甘くみていたようです。とんでもない山奥でした。

大たい昔から名山と称せられているものは、平地からよく見える山である。
ところが苗場山は奥山で、街道筋からは見えない。
おそらく魚沼の住民も、朝夕苗場山を仰ぐというわけにはいかないが、時たま高いところへ登った時、前方の彼方にこの立派な山を見つけて、それを言い伝え、おのずから信仰の山となったのであろう。
深田久弥著「日本百名山 苗場山」

苗場山に登るルートは5つあります。
その中でもっともポピュラーな「祓川コース(はらいがわ)」で登ってきました。
上越などでスキーをされる方は多分ご存じかと思いますが、登山口は「かぐら・みつまたスキー場」のゲレンデにあります。
苗場スキー場から湯沢方面に三国街道(国道17号線)を約10Km先にこのスキー場の入口があります。
この入口(街道沿い)からリフトを乗り継いでいった先にゲレンデがありますから、かなり山奥に入ったところに登山口があります。
苗場山は、このように街道筋からはまったく見えないところにありました。
ちなみに苗場スキー場のある山は「筍山」だそうです。

 

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「かぐら・みつまたスキー場」ゲレンデの紅葉。
標高1500m付近の紅葉が真っ盛りでした。

 

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登山口から約1時間ほど登った辺りの樹林帯の紅葉も見事でした。

 

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標高1700m付近。森林限界を抜けるといっきに視界が広がり、眼下に雲海が広がっていました。

 

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早朝8時頃、標高2000m付近から群馬方面の山並み。秋の空と雲ですね。

 

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登山口から2時間30分、峰を超えるとようやく苗場山の全容が現れました。
頂上までの登山道が尾根づたいにつながっています。ここからあと1時間20分の行程です。

 

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頂上直下に立つと、見上げるような急登です。あともう少しです。

 

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ようやく登りきったところが、なんと!見渡す限り大湿原が広がっていました。
頂上らしきものは見当たらない!これが苗場山の特徴なんです。

それはゆるく傾いた長い稜線を持った山である。
いわゆる山らしい山のたくさん重なっているあいだに、苗場だけはまるで鯨の背のようにその厖大な図体(ずうたい)を横たえている。
深田久弥著「日本百名山 苗場山」

普通の山のように三角錐の形をしているかと思いますが、実際は山上湿原が広がる台地のような山なんですね。まさに鯨の背のような山だということがわかります。

 

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山小屋が建つ奥が頂上です。
尾瀬のように湿原を保護するために木道が作られています。

 

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湿原の中に所々休憩のためのベンチがあります。

 

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草紅葉が見渡す限り一面に広がっています。

 

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下山する頃(12時過ぎ)には雲海は消え、山並みがはっきりと見えました。
燧ケ岳、至仏山、武尊山、谷川岳、日光白根山などの名峰がずらり眺望できました。

 

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スキー場ゲレンデの和田小屋付近の紅葉。

 

今回の山旅は、1泊2日の行程でした、
早朝6時から登山開始のため、前日には麓か登山口に行っていなければなりません。
このためいつものように車中泊でした。

前日の温泉(法師温泉)、道の駅車中泊、そして登山の詳細については、次回「苗場山(2)」でご紹介していきたいと思います。

 

「苗場山(2)」へつづく

 

2 thoughts on “苗場山 (1)

    1. 家犬さん

      たいへんお久しぶりです。
      コメントいただきありがとうございます。

      秋は空気が澄んでいるのでとてもさわやかな山歩きが楽しめました。
      冬のようにまだ本格的に寒くないので、汗がそれほど出ない気持ち良い登山ができますね。

      家犬さんの佐渡の旅、楽しく読ませてもらってますよ。
      これからもぜひコメントお願いしま~す!

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