富士山入山料

山の環境保全に向けた幅広い協力の必要性

 

9月10日、富士山の全ての登山道(4つ)が閉鎖され、夏山シーズンを終えたようです。
富士山といえば、登山を趣味にしている愛好者以外でも観光目的の旅行者や海外からの旅行者にも人気があり、一般的な登山とはちょっと趣向が異なります。

環境省が8日、発表した7~8月の登山者数は、8月11が「山の日」の祝日となった効果もあり、昨年同期比で5.9%増の21万6595人に上った。ただ、静岡県側は2164人減の8万5016人だった。
入山料(富士山保全協力金)の協力率は5割を超え、県はさらなる上昇を目指し、徴収方法を再検討する。
9月9日付 読売新聞(静岡県版)

たった2ケ月間で21万人を超える登山者が、富士山登頂を目指すわけですから、これは驚異的な数字だと思います。
ちなみに、北アルプスや八ヶ岳連峰など日本を代表する山岳を有する長野県には、ここ最近通年で70万人位の登山者が訪れているそうです。この数字(期間と人数)と比較して、富士山の場合は短期間で21万人強ですから、いかにすごい数なのわかりますね。

 

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2016年富士山夏山シーズンの終了と入山料の使途(静岡県)

 

2013年に世界文化遺産に登録された富士山では、試験的に入山料(千円)を徴収するようになりました。
そして、まだ協力金として任意の段階ですが、現在に至るまで続いています。

静岡県富士山世界遺産課によると、7月10日から8月末までの静岡県側の入山料の徴収金額は、4044万円。協力者は4万1907人で、協力率は51%だった。
同、読売新聞(静岡県版)

この入山料の徴収については、個人・団体によっていろいろ考え方あると思います。又、金額の高低ついても同様にあると思います。

私は退職後、南・北アルプスはじめ多くの山に出かけて登山する機会が増えました。
そして、そこで出会った登山者との話の中のひとつに、富士山入山料について話題に上がります。
ここで知り合った登山者の考えは、任意ではない入山料を徴収すべきだという意見が圧倒していました。
又、金額についても少なすぎるという声でした。

私の個人的な考えですが、出会った登山者の意見と全く同じように、全ての登山者に対して入山料を徴収すべきだと思います。又、金額についても検討の余地があると思います。
このことは、世界文化遺産に登録されたこともありますが、富士山の環境保全を維持していくためにも必要なことだと思うからです。

 

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登山は、全国どの山に登っても入山料はありません。(一部登拝料あり)
富士山は特別(世界文化遺産認定など)とはいっても、自然保護や環境保全という見方からすれば、どんな山でもその対策・対応は必要だと思います。
こうした対応は、市町村などの行政が主に行っていて、その他、山小屋やボランティアの方々が協力しているようです。

このような観点からすれば、実際に登る登山者も何らかの協力をすべきではないかと思ったりします。
富士山に限らず「環境保全協力金」という名目で入山料を徴収するしくみがあってもいいのではないかと思います。
そのやり方、金額、使途など、いろいろ考え方があると思いますが、環境保全という共通した目的の下で推進されればと願っています。

 

 

 

 

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