南アルプス大縦走 (2)

南アルプス主脈踏破へのはじまり

いよいよ3千m峰の聖岳へ

 

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聖岳(ひじりだけ)3013m(日本百名山)

 

聖岳が何か世俗を脱した高潔な山のように思われるのは、その名前のせいだけではない。
それは日本アルプス3千m峰として最南端の僻遠の地にあり、容易に近づきがたいという印象からもきているのだろう。                           日本の高峰中で一番登山者の少ない山かもしれない。
私にとっても長い間とり残された山であった。
強い憬れを持ちながら、アプローチが長いため登り損ねていた。
登山の機会を逸すれば逸するほど、この聖者はますます私にとっての尊い山になった。

深田久弥著「日本百名山」より

 

山旅3日目、いよいよ光岳から北岳に向け南アルプス主脈縦走のはじまりです。
そういう意味では、第二のスタートラインに立ったような想いでした。

 

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再度茶臼岳(右)を乗り越え、上河内岳(中央)の頂きに立ち、そして目指すは聖岳(左)に向けてスタートを切りました。                       前泊地の光岳小屋から聖岳の麓にある聖平小屋まで所要時間10時間のロングコースです。

 

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登山道脇に広がるお花畑          上河内岳に向け登り返して行きます。

 

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お花畑に咲く高山植物

 

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上河内岳頂上2803m (二百名山)     頂上からの聖岳

 

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上河内岳直下で休憩する登山者のパーティ  聖平小屋に向けて

 

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写真左:途中の南岳頂上から聖岳、赤石岳、荒川岳の名峰が眺望できます。
写真右:今登ってきた上河内岳を振り返って。

 

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3日目の宿泊地、聖平小屋。1泊2食7000円。

 

聖岳登頂と赤石岳に向けて

 

山旅4日目、聖岳登頂を目指し、更に赤石岳に向けてこの日も10時間のロングコースです。

 

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早朝5時出発、雲海に浮かぶ富士山。    昨日歩いてきた光岳からの稜線を一望。

 

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森林限界を超えると、シャクナゲやチシマギキョウなどの高山植物が咲いています。

 

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中腹から聖岳を見上げる。         振り返ると登ってきた小聖岳2662m

 

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聖岳頂上3013m(前聖岳) 後方にそびえる山が赤石岳。

 

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聖岳には前聖岳と奥聖岳があります。前聖岳から往復1時間の距離ですので、前聖にザックを置いて手ぶらで散策してきました。奥聖岳2978m。

 

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奥聖岳のお花畑に咲くミヤマダイコンソウとチングルマ

 

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聖岳を後にして兎岳に向かいます。

 

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途中から見た赤石岳            登山道のガレ場

 

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兎岳を仰ぐ                振り返って見た聖岳

 

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兎岳頂上2818m              頂上でランチタイムで~す。

 

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兎岳から下り、今度もまた新たな峰(中盛丸山2807m)が見えてきました。
稜線といってもいくつかの峰を超えるアップダウンの連続です。
標高2800mの高峰と言えば、北アルプスの百名山にその名を連ねる五竜岳、黒部五郎岳、常念岳、鹿島槍ヶ岳、笠ヶ岳などの名峰に匹敵する高さです。
そんな高さの山が、南アルプスではゴロゴロありました。
いかに大きな山脈であるか!ということがうかがえますね。

 

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山旅4日目。今夜の宿泊地「百間洞山の家」(ひゃっけんぐら)に泊まります。
1泊2食9000円。夕食はトンカツでした。

 

最近山小屋の食事が豪華になってきています。
北アルプスの名だたる山小屋では、ハンバーグ、豚肉ソテー、ステーキなどの夕食が出たりします。南アルプスでも初日に泊まった茶臼小屋では、お刺身(びんちょうまぐろ)が出てビックリしました。
(刺身が出た山小屋ははじめてでした)
どの山小屋でも名物をつくって、登山者の間でも話題になっています。

山小屋やすれ違った登山者同士の会話の中で、前泊地はどこですか?、今日はどの山小屋で泊まるの?という言葉がかわされます。
そんな中「今夜は百間洞に泊まります」と言うと、返ってくる言葉は決まっていました。
「ああ~あそこは揚げたてのトンカツが出るよ!楽しみだね」と。

百間洞の食堂は、4人掛けテーブル席が4つありました。(全16席)
夕食時に呼ばれて食堂に行ってみると、半分の8席分しか夕食の準備がされていません。 食堂の壁に大きな字で案内が書かれていました。
「当山の家では、揚げたてのトンカツを出しています。一回で8人分のみの提供です」
なるほど、倍の16人分を揚げていたら、最初に揚げたトンカツが冷めてしまうのでしょう。
これもこだわりなんですね。

登山といっても、単に山に登ることだけではありません。
日常生活では体験できない別世界のような雄大な景色を楽しみ、趣味を同好する登山者同士の熱い語らい、そして、こうしたこだわりのある温かい食事もまた大きな楽しみのひとつです。

 

「南アルプス大縦走(3)」へつづく。

次回は、「赤石岳と避難小屋泊」のお話しです。

 

2 thoughts on “南アルプス大縦走 (2)

  1. こちらこそ、すみません。
    その日ごとにコメントしなかったので、わかりにくかったと思います。

    晴れてて、いいですね。
    聖平小屋なつかしい…
    小屋の前でテントを張って、日本酒がぶ飲みして酔っ払いました(笑)

    やはり南アルプスは、奥深くて、山らしい山ですね。
    見ているだけで、アドレナリンが出ます。

    1. 家犬さん

      そういえば以前、南アルプスに行った時にお酒をたくさん持って登った、というお話聞きましたね(笑)
      すごいご夫婦だな~と思いました!
      お酒の好きな方でしたら、それも楽しみのひとつですね。

      昨年北アルプスを縦走しましたが、北アルプスと比べひとつひとつの山が大きいですね。小屋から小屋までの距離、時間もかかりますから、それなりに準備していかなくてはならない山脈だな~と思いました。

      山旅ブログまだまだ続きますので、ぜひご覧ください。

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