北アルプス9日間縦走の山旅 (4)水晶岳と鷲羽岳

いざ!日本アルプス最奥地帯へ

日本百名山の中で

山頂までのコースタイムが最も長い二山

 

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高度を上げて岩苔乗越から望む水晶岳

 

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ワリモ岳から望む鷲羽岳

水晶岳・鷲羽岳の両山は百名山同士の間の距離が最も短い、当然、両山間のコースタイムも最短で、一緒に登られることが多い。又、両山がとにかく「奥深い」ことが見逃せない。百名山中で、距離の最も近いこの両山は、登山口からコースタイムの長さにおいてナンバーワンとナンバー2なのである。日本アルプスの最奥地帯にまで来ているのだから、どうせなら効率よく登りたい。
樋口一郎著「新釈日本百名山」より

 

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雲ノ平から更に山深き地「高天原」(たかまがはら)

 

雲ノ平を後にして最奥の高天原へ

 

高天原へは雲ノ平から北方に向けて約2時間半かかります。
一般的には、雲ノ平から水晶岳、鷲羽岳、三俣山荘方面に向かうのがほとんどです。
高天原に向かう登山者は極端に少ないです。ではなぜ高天原にいくか?というと、そこには秘湯があるからです。ここを目指す登山者の目的は、ほぼ100%温泉に入ることです。
そんなわけで時間のあるオヤジは、先を急がず寄り道して高天原に向かいました。

 

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薬師岳を望みながら樹林帯の中へ谷に向かって下っていきます。

 

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高天原の湿原地帯

 

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岩苔小谷(いわごけこだに)にひっそりたたずむ高天原山荘

 

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雲ノ平から高天原に寄り道         高天原山荘から水晶岳を見上げる。

岩苔小谷は近頃注目されだした黒部の支流で、小さな池のある原が見おろされた 。そのあたりは、高天ケ原と呼ばれる別天地だそうである。
深田久弥著「日本百名山 水晶岳」

 

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高天原山荘から更に20分ほど山奥に入っていくと沢に出ます。沢沿いに高天原温泉がありました!お風呂は、女性専用の美人の湯、露天風呂、沢にある露天風呂の3ケ所。
誰もいないこの温泉を独り占めで~す!
4日ぶりのお風呂で汗を流しました。

 

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入浴後、水晶岳に向け岩苔小谷の樹林帯を登っていきます。

 

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ミヤマリンドウ              イワイチョウ

 

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水晶池                  湖面に水晶岳が写っています

 

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この岩苔小谷の登山道を使う方はほとんどいないので、この時間帯に水晶池を訪れる登山者は誰もいませんでした。静かな静かな 大自然の中の池です。この池の真上に水晶岳がそびえています。

 

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雲ノ平山荘で作ってもらったお弁当、クルマユリを見ながらランチタイムです。

 

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樹林帯を抜けるといっきに視界が広がり、沢沿いに登っていきます。

 

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登山道沿いのミヤマキンバイ        ハクサンイチゲのお花畑

 

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沢を何度も徒渉しながら進んでいきます。  振り返ると真後ろに薬師岳

 

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ミヤマキンバイのお花畑          ヨツバシオガマとイワツメグサ

 

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稜線までもう少し!            岩苔乗越、高天原から4時間。

 

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岩苔乗越から望む祖父岳。その向こう側が雲ノ平。

 

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水晶岳が近づいてきました。        稜線上から遠望する表銀座

 

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鷲羽岳も姿を現しました!         タテヤマウツボグサ

 

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15:30 水晶小屋。雲ノ平山荘から高天原を経由して9時間半、ようやく着きました!

 

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槍ヶ岳の穂先だけちょこっと見えます。   水晶岳、小屋から頂上まで登り40分。

 

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ご来光                  朝日に照らされる水晶岳

 

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水晶岳頂上2986m             遥かかなたに富士山!

 

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裏銀座の山並み              かなたには立山、剱岳が見えます。

 

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水晶岳頂上から

 

水晶岳から鷲羽岳へ

 

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ワリモ岳2888m              稜線づたいに鷲羽岳へ

 

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隣のワリモ岳から見る鷲羽岳        鷲羽岳頂上

 

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鷲羽岳から望む水晶岳。日本百名山同士の間の距離が最も短い2.7Km。コースタイムでは約2時間半です。今回の山旅で多くの登山者との出会いがありましたが、鷲羽岳を目指す登山者は必ず水晶岳も登頂すると言っていました。私もそうですが、目の前にある百名山ですからやはり両山一緒に登頂を目指しますね。

 

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鷲羽岳頂上から望む黒部五郎岳。眼下の谷が黒部源流。

鷲羽岳に達するには、どの出発点からしても途中二泊は要した。それほど山深かった。
黒部と言えば、その谷の深さと険しさと美しさとで有名だが、その黒部川が産声をあげるのが鷲羽岳である。この山の頂に立つと、黒部川の幼年時代の発育ぶりが手に取るようにわかる。源流は一跨ぎ出来るささやかな流れである。その水がやがて切り立った絶壁の間を、淵となり滝となって、猛々しく流れて行くのである。
深田久弥著「日本百名山 鷲羽岳」

 

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鷲羽池                  三俣蓮華岳

 

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鷲羽岳と三俣蓮華岳の鞍部に建つ三俣山荘に向け下っていきます。

富山の折立から入山して5日目、水晶岳と鷲羽岳を縦走しましたが、やはり奥深き山でした。関東方面から行く場合は、主に二つのルートがあります。一つは新穂高温泉から入山して鏡平、双六岳を越えて行く方法、もう一つは大町から高瀬ダムに入り、裏銀座を縦走する方法です。今回、折立からの入山でしたが、太郎平から反時計周りに黒部五郎岳、三俣蓮華岳を縦走しながらこの両山を目指す登山者が多かったのが印象的でした。
いずれにしても、ダイレクトに行く場合、登山口まで一日、入山してから小屋二泊しなければならない山です。豊かな自然が残されているのも頷けます。

 

「北アルプス9日間縦走の山旅」 つづく

次回第5編は、最終回の「焼岳と乗鞍岳」です。

6 thoughts on “北アルプス9日間縦走の山旅 (4)水晶岳と鷲羽岳

  1. うひゃあ~
    雲上の温泉!
    いいなあ~
    うらやましすぎますっ!
    残りの人生で行ける確率…限りなくゼロです。
    よかったですね~

    1. 家犬さん

      たしかに温泉は見事でした! 温泉好き、特に秘湯マニアにとってはたまらないでしょうね。簡単に行ける場所ではないところがいいんです。
      湯から上がって水晶岳に向かう途中、湯疲れ?から登山がかなりきつかったです。お風呂にはいってからの登山は考えものですね。

  2. 初めまして
    いつも目の保養をさせて頂いていますが
    今日はまた一段と美しい山々にうっとりしています
    温泉独り占め天国ですね

    1. 桂川さん

      コメントありがとうございます。
      山並みや美しい自然を見ると心が洗われる気持ちになります。
      こうした景色はなかなか見るチャンスがありませんが、できるだけ晴れ日を狙って山旅を続けていきたいと思っています。
      これからもぜひこのブログに訪れてください。

  3. 昨年8月3~5日で43年ぶりに雲平・鷲羽岳・三叉山荘・三叉蓮華・双六方面へ行ってきました
    が高天原までは足が足りませんでした。懐かしく思い出しながら楽しませて頂きました。

    1. hiroさん

      コメントありがとうございます。
      今まで登山をしてきた中で一番思い出深いのが、この雲ノ平を中心にしたトレッキングでした。
      北アルプスの奥深き山岳風景は素晴らしいものがありますよね。
      やはり高天原まで足を延ばす登山者は少なかったです。
      この時の登山では、天候悪化により黒部五郎岳が登頂できませんでした。次回は立山から縦走しながらこの頂きを目指そうと思っています。

      私のブログを見て懐かしく思い出していただけるだけで嬉しいです。
      また、コメントよろしくお願いします。

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