継続雇用と完全リタイア

どちらもこれからの「居場所」づくり

昨日、会社時代の友人からメールがきました。                     現役の頃、一緒に仕事をした二人の同僚が退職されるという連絡でした。一人は先輩で継続雇用で仕事を続けられ今月63歳で退職。もう一人は後輩で58歳早期退職ということでした。この二人の送別会を兼ねて飲み会をしようというお誘いメールでした。       退職される理由はわかりませんが、数年ぶりの再会ということで楽しみができました。   私のような年代(今年59歳)になると、「退職」「継続」という二文字の言葉が風の便りなどで頻繁に伝わってきます。

先月、山仲間(会社時代の山岳同好会)と登山に行った時、○○役員は退職された後、毎週のように山に登って楽しんでいるようだよ、という話を耳にしました。         実は、私が2年前早期退職することを上司に伝えた時、その上司から当時取締役であった○○役員まで話が伝わり、わざわざ私の部署まで来て1時間ほど話をした方でした。          その方は定年を一年後に控え、退職以降どのような人生(生活)を送っていこうかということに悩んで?(又は関心)があったようです。                                      そんな時、仕事上や家庭事情以外の理由で早期退職する社員(私)がいるという話を聞き、興味本位なのかわかりませんが、これからの生き方や過ごし方について熱く語り合った記憶がよみがえりました。そして、あの方は決断されたんだなと思いました。

今の時代、60歳定年退職時にこれからの人生をどうしていこうかという判断は、それほど大きな悩みではないように思います。なぜなら、継続雇用ということで給料は減っても最大5年間は働く場を保障されているからです。もちろん、今後家族で生活していく上での収入減は大きいものですが「居場所」という点では保障されます。            私の現役時代の友人たちの多くは継続雇用です。中には経済的な理由でなくても働き続けている方もいます。働くことでの社会貢献やはっきり生きがいと言う人もいますが、特に何をしていいのかわからないのでとりあえず継続している人も多くいます。

あまりにも会社に適応した生活を送ってきた中高年男性の場合、退職した翌日から何をしていいのかわからなくなってしまう人も少なくない。自由の使い方がわからず、職場以外の人間関係もほとんど持たないため、退職した途端に家に閉じこもってしまったりする。  そうなると妻たちも迷惑を被ることになる。矢部武著「60歳からの生き方再設計」

60歳定年もそうですが、65歳継続雇用退職以降もこうした状況も生まれてきます。     65歳以降も経済的な理由で働かざるをえないということもあり、シルバー人材センターなどを通して更に働き続ける人も多くいます。

2015年齢階層別就業率 2015高齢者の就業意欲

年齢階層別就業比率は、男性60~64歳で70.9%、65~69歳で46.2%です。又、中高齢者の就業に対する意向をみてみると、60~64歳では、仕事をしている人のうち56.7%が65歳以降も「仕事をしたい」と考えているようです。                   これは内閣府と厚生労働省の調査によるものですが、単純に就業意欲として捉えるべきかどうかの判断は難しいものがあります。                        ※内閣府は「高齢者が活躍できる環境づくり」の中で就業意欲として捉えています。    年金の継続的な削減や受給年齢の繰り上げなどにより、年金だけでは生活できない実態があり、働かざるをえない状況にあることもこの数値にあらわれていると思います。     又、一方では、経済的な理由よりも完全リタイアすることへの不安=居場所もあるのではないかと思います。そういう意味では、65歳までの継続雇用とそれ以降働き続ける気持ちの中には、いろいろな思いが複雑に絡まっているのではないかと感じます。

私の友人、知人の中に定年退職を含め50代後半~64歳までの間に完全リタイアされた方が何人かいます。理由は様々ですが、共通している点は「居場所」がはっきりしていることです。(居場所=どのように生きていくか、生活していくか、又は、趣味などにおいて目的や目標があることなど)

今回、メールで二人の同僚が完全リタイアする連絡をもらい、これからの生き方についていろいろ話を聞いてみたいし、語り合っていきたいと思いました。

 

 

 

4 thoughts on “継続雇用と完全リタイア

  1. 大変参考になります。
    今の気分は辞めるなら55歳がベストです。
    金額別にして
    海外の安宿探すのに20K位のリュック背負って歩き回る。
    金額についてエージェントとお互いが納得するまで何時間も話あう。
    ボロバスで10時間以上移動する。
    キリマンジャロ登れるかなぁ?????
    アフリカ旅行ではマラリアの薬飲みながらテント生活やドミ楽しめる?
    英会話もやばいし。
    55歳でやめるとライフプランが壊れてしまう。

    居場所って男性独特ですかね。
    女性は仕事辞めても簡単に次の居場所見つけますよ。

    政府の陰謀を感じます。
    長く働く事を賞賛、介護は家で 専業主婦は働け
    こーいう声が聞こえてきます。

    定年後も楽しむのはもちろんですが、
    私たちは今も生きてます~今も楽しむことは必要です。
    バランスが難しいです。
    女性 独身です。

    山行も楽しいですが、硬派な記事も読みやすくまとめられてるので好きです。

    1. ヒロさん、おもしろいコメントです。
      女性だって、夫が定年すれば、定年です。
      夫が働きやすいようにしていた仕事は卒業…
      好きな生き方を模索します。
      若いときは、一人旅は狙われそうだったけど、年をとると一人でも平気かなと思えることが、プラスです。
      キリマンジャロもエベレストもやる気があれば行けますね。

      1. 家犬さん

        羨ましいです。
        残念ですが、わたしは60歳過ぎのキリマンジャロは無理です。
        臆病なので、幾つになっても女性一人旅は平気ではないです。

        やる気があってもやれない事、やれる事を見極めていかないと後で後悔する事になると思って焦ってます。

        旦那様が定年なら奥様業も定年・・・いいですね!
        周囲の男どもに聞かせたい!(笑)

        1. ヒロさん、家犬さん
          おはようございます。

          以前ブログに書きましたが、夫が在職中の時、妻は
          「朝食は義務、夕食は仕事と思ってつくり、昼食は、自分の時間という思いがある」昼は奥様としてランチを食べたり、ゆったり過ごしたり、その時間までつぶされるのはかなわないというわけです。
          私のカミサンは、まだ公務員として働いています。私は完全リタイアしたので家庭内では「主夫」です。
          世の中の奥様の気持ちがよ~くわかります。今朝もカミサンの朝食とお弁当を作って送り出しました。

          男性は完全リタイア後、変わらなければならないと思います。主婦も定年があっていいと思います。
          「今までは」から「これからは」へ夫婦で話し合って変わることが必要だと思います。

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