田子の浦を訪ねて

富士登山「村山古道」出発点の下見

 

潤井川の河口、吉原湊に船を着けてまっすぐ村山に入るかぼそい道があったかもしれない。その後しだいに富士の裾野の沼沢地の開発が進み吉原宿が成立してからは、江戸から下ってきた道者(登山者)はこのルートで村山に向かえば、半日の行程が節約できることに気づく。田子の浦海岸で禊ぎ(みそぎ)して富士塚に小石を納め、吉原宿を通り抜けて村山へと登っていくコースが確立したのは江戸時代中期以降であろうか。
畠堀操八著「富士山 村山古道を歩く」より

 

IMG_3748    1427329260377    2015村山古道

月に一度、静岡で一人暮らしの母親のところに様子を見に行き、その行き帰りはいつも富士山を仰ぎながらくるまを走らせます。
今年7月富士山ゼロtoゼロ(海抜0mから登り、海抜0mまで下る)の計画を立てています。通常の登山とは異なり一般道や市街地を歩くことになり、又、今回は復元された村山古道をたどる山旅になるので事前の準備を兼ねて下見に立ち寄ってみました。

 

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現地に行く前、富士市中央図書館に寄ってみました。地元ですから富士山に関する資料があるんじゃないかと思い覗いてみましたが、予想以上の蔵書に驚きました。本棚に埋め尽くされた書籍は全て富士山に関連した資料です。さすが富士山地元の図書館ですね。

 

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起点になる東海道線「吉原駅」 駅からは富士山がくっきり見えます。登山開始当日は早朝の出発予定ですので、前泊(車中泊)の駐車場をチェック。ここから当日出発地点の田子の浦海岸まで戻るかたちになります。

 

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海岸に向かって散歩してみました。近くに阿字神社があり、ここは「富士と港が見える公園」になっています。小高い場所からは田子の浦港が一望できます。

 

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公園から望む富士山と田子の浦港      神社に咲く桜

 

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地元の公園内に津波発生時の避難塔があったので登ってみました。予想したとおり富士山を望むベストポイントでした!

 

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富士山の右側にそびえる愛鷹山1457m(200名山) 下山はこの山の向こう側の御殿場から裾野市を通過して沼津の海岸に下る予定です。恐ろしく長い道のりです。大丈夫かな?

 

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出発地点の田子の浦の海岸に出ました。港付近は津波対策の防波堤とテトラポットがあり海岸線に出ることができませんでしたが、砂山公園あたりから砂浜が広がっています。
駿河湾の先には伊豆半島が見えます。ここから富士山も見えました。

 

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鈴川の富士塚。吉原駅と田子の浦海岸の間にあります。

富士登山の前に身のケガレを払う場であったと考えられている。登拝者は海岸で水垢離(みずごり)と呼ばれる精進潔斎(しょうじんけっさい)を行い、その際浜から玉石を持ってきて砂山に積み上げ、登山の安全を祈願したと伝えられている。身を清めた登拝者は、この富士塚を起点として、吉原宿、伝法、大淵を経て村山浅間神社に至る村山道を通り、富士山を目指したという。

 

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富士登山ゼロtoゼロの終点になる沼津「千本浜公園」に行ってみました。ここまでたどり着けるかどうか不安もありますが今から楽しみです。

ということで、事前の下見に行ってきました。どんな登山や旅行でもそうですが、当日ただ登るだけ、行ってみるだけではなく、それまでの過程がなりよりも楽しいものです。

静岡方面に旅行に出かける時、又、東名高速道路で御殿場、沼津、富士市を通過する時ちょっと寄り道で駿河湾の海岸線に出てみてはどうでしょうか。富士山と駿河湾、伊豆半島の素晴らしい景色が楽しめますのでおすすめします。