60歳からの現実 (32)

ポスト団塊世代

60代~生き方、過ごし方の変化

 

私たち60代の世代は、上司・先輩・兄貴などと慕ったあの団塊世代と一回り年の差があります。

あの時代の定年退職と今の時代の ”退職意識” は大きく違っているように思います。

サラリーマンの場合、「定年退職」というかたちの上での儀式?はあるものの、現実は今までとそれほど変わらないカイシャ生活が続いています。
役職定年で職位や給与が抑えられ職種変更はあるものの、引き続き関連業務の仕事をすることになります。
継続雇用(再任用)が定着して、さらに70歳までの雇用が保障されてきているからなのでしょう。
このことは私の同僚や親しい友人・知人の例をとっても明らかなことです。

こうした社会変化に伴って、「退職後の生き方・過ごし方」ということも大きく変わってきているように思えます。

 

年齢階級別就業率の推移   55歳以上の者の就業状態(男)

シニアライフ総研より引用
60~70代男性の就業率は年を追うごとに伸び続けている。

 

団塊世代が定年退職した十年前(10~12年前)、これに関連しての退職本や手引書などが数多く出版されていました。
今でも一部月刊誌として存在し続けている雑誌もありますが、生き方・過ごし方に関連してのノウハウ本やそれに類する書籍・小説は極端に少なくなっています。

 

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図書館には一昔前の定年退職者に関連した書籍が多数ありますが・・・。

 

当時の定年退職者(団塊世代)の姿というものは、ほぼ決まったかたちとして描かれたものでした。

ヌケガラ?、アイデンティティの喪失?、生きがいが見つけられない?、何もできない人?・・・。

以前ブログでも紹介してきた、小説「団塊の世代」、「終わった人」「定年女子」「定年オヤジ改造計画」などに出てくるオヤジさんお父さんのイメージは、こんな風にとらえられていました。

逆にこの世代は、アクティブシニアとして活発的に人生を謳歌する生き方も一方ではありました。
(起業、海外ロングステイ、移住など)
それらはそれで的を得ているものもあります。しかし、今の時代少しづつ、そして大きく変化しているように思えます。

先に述べた同僚や友人・知人を見る限り、これらのことはあまり当たっていないと感じます。
なぜなら、”今の60代は働き続けている人がほとんど” だからです。

よく言われるシニア世代のたまり場~図書館、公園、昼間のスポーツジムやショッピングセンター・・・、ほとんどが団塊世代の70歳以上の人たちです。
60代の人たちはあまり見受けられません。

ちょっと極端な言い方かもしれませんが、「定年退職」という言葉自体が死語になりつつあるように思います。
それだけ人生の一つの区切りというものがなくなってきているのではないかと。

 

ブログ「60歳からの現実(リアル)」シリーズで前回、前々回では、下記のタイトルでアップしました。

「リタイア後も引きずる ”理屈や打算” ~受け身の生活から脱却」
「”空気を読んでも従わない” ~ 世間と社会との関わり」

かたちだけで60歳定年退職してもその後働き続けることから、今までと同じように受け身の生活から脱却することなく空気を読んで過ごすことがごく普通になっているでしょう。
このこと自体をウンヌンするつもりはありません。それは個人の生き方・過ごし方なんですから。
逆に私のような存在は異端児なのかもしれませんね(笑)

そうした生き方というものは、周りの同僚だった人たちや友人・知人をみてもハッキリ分かります。
それは、”自分の居場所が職場にある” という一点で共通しています。
そして70歳まで働き続け、更にその先もそうした場所を追い求めていくのかもしれません。
その先?~見続けていきたいと思います。

 

デジタル化社会への変化と共に

 

ポスト団塊世代
「定年退職後の・・・」のフレーズは、たった10年余りの歳月で大きく変わりました。

その変化の理由は、継続雇用の制度化、医療の発達と健康寿命が延びたこと、公的年金だけでは生活できない(足しにならない)、格差と貧困の深刻化・・・など様々な要素があります。

そしてもう一つ大きな変化と要素は、”デジタル化社会への急速化” なのかもしれません。

仕事の面でも単純化・簡素化したことで働きやすさというものが生じてきたこともあるでしょう(全てではありませんが)
又、余暇やコミュニケーションツールとして普及してきたことも考えられます。
ネットでのゲームやその他検索システムで自分のほしい情報やコミュニケができることから、自分の時間を有効に使える?ことも生まれてきたこともあると思います。

かつての「老後ひとりぼっち」「何もすることがない」「何もできない」・・・、なんていうフレーズは過去のものなのかもしれません。
趣味を持て!と言われても、それ自体が趣味のひとつなのでしょうか。
そしてそこで得た情報やつながり(SNSなど)などが更に拡大していくことで、実質的な体験をしなくても満足感が得られるようになっていくのかもしれません。

このことが是か非かということはわかりません。
そういう私も退職後の過ごし方において、ブログというツールが生活の一部になっています。

これらの過ごし方というのは、60代の人にすべて当てはまるというわけではありません。
あくまでも私の周りの友人・知人たちの印象からです。

人生の区切りが「定年」という言葉でなくなりつつある中、60代、70代の生き方・過ごし方が多様化しているように思います。

今まで「塊」として社会に大きく影響を及ぼした団塊世代の後の世代は、様々な過ごし方があり多岐に渡ってきていると感じます。
「この世代は○○だ」と一言でくくれなくなっているのでしょう。

ただ、実際に行動を起こさなくてもいろいろな情報収集やSNSなどでコミュニケーションが飛躍的に進化した今、その行動範囲は小さくなりつつあるように思えます。

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