山と山小屋 (12)

北海道編

食料とシュラフ持参?!

 

北海道の山小屋は、登山シーズン中は管理人がいるものの素泊まりが一般的です。
北・南・中央アルプスのような食事付きの山小屋は、皆無といってもいいのではないでしょうか。

本州から訪れる登山者が少ないことや積雪もあり登山期間が限られていることなどから、経営的に厳しいものがあるのかもしれません。
そんなことから避難小屋的な使われ方が普通のようです。

北海道には日本百名山が9座あります。
この9座は、北海道の屋根と言われる大雪山を中心に東西南北に渡って散らばっています。
このため百名山詣での登山者たちは、ほぼ必ずといっていいほどまとめて2~3座目指す人がほとんどです。
私も北海道ステイ&くるま旅の時に、お試し住宅を起点に数日かけて周りました。

日程や経費を考慮し登山エリアを決めて周回する登山者の主な山は、

道東エリア:羅臼岳、斜里岳、阿寒岳
■道央エリア:大雪山、十勝岳、トムラウシ
■道南エリア:後方羊蹄山、幌尻岳
■その他、単独で利尻岳

もちろん登山者によって個々の登り方があるので一概に言えませんが、私が北海道で実際に体験した中では、こうしたエリア別に登る人たちが多かったです。

北海道という地理的なことを考えると本州から何度も来ることは大変なことです。
ようやく北海道まで来て限られた日程の中での登山は、天候を考慮することなく強行され遭難に至るケースがあります。
このいい例が、2009年のトムラウシ大量遭難事故(8名死亡)、2017年の幌尻岳のぬかびら川徒渉遭難事故(3名死亡)でした。

登山はどの山でも遭難がつきものですが、特に山小屋や避難小屋が少ない北海道では、そのリスクは一段と高くなるのかもしれません。
そういう意味では、本州の山とはそれなりに違うことを考慮に入れた日程や装備などが必要ではないかと思います。
そして、ヒグマ対策も必要なことでしょう。

 

羅臼岳

 

羅臼岳は、北海道・知床半島にある火山群の最高峰です。
羅臼岳へは、知床半島の両側からのコースがあります。最も一般的なコースはウトロ側の岩尾別温泉からのコースです。
この登山口にある山小屋が「木下小屋」です。

羅臼岳の山中には山小屋や避難小屋はありません。
このため日帰り登山になるので、できるだけ早めに出発する意味でもこの木下小屋を利用する価値があると思います。

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木下小屋

1泊素泊まり2500円。食料やシュラフは持参。
小屋の脇に登山口があります。

 

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2階の部屋、20人ほどが泊まれるスペース。1階にも部屋あり。

 

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24時間かけ流しの温泉付き。小屋でヒグマスプレーをレンタル(1日1000円)

ブログ「羅臼岳」

 

幌尻岳

 

幌尻岳は、日高山脈の最高峰です。
この幌尻岳には唯一の山小屋「幌尻山荘」があります。
麓の登山基地には「とよぬか山荘」があり、ここからは一般車の交通規制のため登山専用シャトルバスに乗り換えて登山口まで行きます。
登山口からは林道を歩き、その先は幌尻登山の最大の難所? ”ぬかびら川の徒渉” があります。
この徒渉は20回ほど繰り返し川を渡ります。このため沢歩き専用のシューズが必要になります。
川の増水時は渡ることができません。渡ることができなければ山に登ることができないので、百名山の中で最も困難な山かもしれません。
又、シャトルバスと幌尻山荘は、全て予約制になっているため事前の日程スケジュールをしっかり準備しておく必要があります。

 

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ぬかびら川の徒渉

この時の水深は膝下くらいの深さだったので簡単に渡ることができました。
太もも辺りまでの深さになると徒渉はかなり難しくなります。

 

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幌尻山荘

1泊素泊まり1500円。食料とシュラフは持参。

 

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小屋前のシートやベンチが炊事場になります。
登山者が川で釣ったイワナ。

ブログ「幌尻岳」

 

斜里岳

 

斜里岳の最もポピュラーな登山コースは清里町側からの登山です。
その登山口にある山小屋が「清岳荘」です。

コース上には山小屋や避難小屋はなく、日帰り登山ができる山です。
私は2年前に清里お試し住宅を借りた時に登りました。住宅からは目の前に斜里岳が見えたことから、登山口までのアクセスは容易でした。
清岳荘には宿泊していませんが、遠方から来る場合は必須の山小屋ではないかと思います。
車で来るにしても、近隣の町に前泊しなければ早朝から登ることはできません。

 

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清岳荘

1泊素泊まり2120円。寝具レンタル一式300円。車中泊は520円。
この山小屋も食料持参です。

 

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清岳荘前の広い駐車場と清里町が一望

 

ブログ「斜里岳」

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