災害ボランティア

台風19号の被災地~地元川越

複数河川の合流地点が危険!

 

台風19号の影響は東日本各地に多大を被害をもたらしました。
発生からすでに2週間近く過ぎていますが、今でも復旧が進まない中、大きな爪痕を残したままでいます。

 

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台風19号の被害を報じる新聞。埼玉地方版では浸水3400棟。

今回の台風報道では、「バックウォーター現象」という言葉が盛んに使われていました。
かつての台風被害でも使われていましたが、今回の台風で改めてその認識を深めました。

埼玉県は、河川面積の割合が日本一だと聞いていました。(河川面積比率3.9%)
川が多いということは、台風などの自然災害時に河川の氾濫による被害が多いのでは?と思いますが、実際はそんなこともなく35年以上住み続けています。

関東平野の内陸部に位置していることから自然災害が少ない所だという認識の方が強かったくらいです。
私の住む町川越市も河川が多いということから、それなりの治水対策が施されてきていたからでしょうか。

 

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台風が去った翌朝、自宅近くの入間川。

この付近は川幅が広く河川敷まで浸水したようですが、土手を超える(越水)までには至りませんでした。
これも治水工事が行われてきたことで川の氾濫を防いだのでしょう

しかし、そんな安心も今回の台風で一変しました。
この場所から下流に5kmほど下った所に複数の川が合流する地点があります。
まさにその場所が、バックウォーター現象によって越水、決壊しました。

 

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複数の河川が合流する地点。

入間川を本流にして越辺川(おっぺがわ)、小畔川(こあぜがわ)の3本の川が合流。
又、合流手前で越辺川に大谷川が合流する地形。

こうした複数の河川が合流する所では、集中豪雨によって本流に流れる水がいっぱいになり、特に川幅の狭い河川では逆流するバックウォーター現象が起きるようです。
その結果、整備された高い土手でも越水と決壊が起きて、その周辺地域が水浸しになるのでしょう。

 

災害ボランティア

 

今回の台風19号の影響で被害にあった地域を中心に「川越市社会福祉協議会」が、災害ボランティアを募集しました。
近い場所で起きた災害ということもあり、他人ごととは思えない状況だったので、この災害ボランティアに応募してお手伝いしてきました。

ここ数年、日本全国いたる所で自然災害が起きて新聞、テレビなどで頻繁に報道されています。
その報道の中では、災害ボランティアのことも詳しく紹介されていたことから、どのような服装、持ち物などが必要なのか、ある程度分かりました。

 

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服装は汚れても大丈夫な服を着て、下は雨具のズボンと長靴を履いていきました。
特に雨具用の防水ズボンは良かったと思いました。
今では使っていない登山用の古い雨具でしたが、泥水で濡れても染み込まなくて良かったです。

上着は時期にもよりますが、厚着より身軽な服装がいいですね。
激しい作業なので汗をかきます。長袖と通気性の良い下着がいいと思いました。

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地域の公民館が「災害ボランティアセンター」になっていました。
この場所でボランティアに応募の人たちが集まり受付をしました。
社会福祉協議会の担当者から指示・注意事項を受けてから現地にマイクロバスで移動しました。

 

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普通のマスクを持参していきましたが、災害時は防塵マスクがいいと思いました。
協議会から防塵マスクが支給されたので助かりました。
メガネをかけていても曇らず、激しい作業で息が荒くなってもちゃんと呼吸できることが利点でした。

 

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ボランティア活動保険に入会しました。
危険な場所での作業や天候などによって身体への影響(熱中症など)も考慮して保険加入するようです。
この日は曇りの天気で暑くない気候でしたが、これが晴天の時の作業だったら熱中症が起きてもおかしくない状況になるのではないかと思いました。

※現地での写真は禁止のため撮影していません。

 
私たちが作業した場所は、先ほどの地図画像にあるように複数河川が合流する地点です。
バックウォーターによって浸水した特別養護老人ホームの施設でした。
建物は敷地内の道路から少し高い場所に建てられていましたが、施設内は1.5m位床上浸水していました。
つまり、道路から2.5m~3mくらい水没した状態になっていたことが分かりました。
自然の脅威がいかに凄まじいものか目の当たりにしました。

作業の内容は、主に敷地内に流れ込んだ泥の撤去でした。
建物周辺は、至る所泥で埋め尽くされていました。
厚さ30~40cm位(場所によっては1m位)の泥を土のう袋に入れて撤去する作業です。
水分を含んだ粘土質の泥のためかなり重たかったです。

更に、周辺が田んぼだったことから、大量のわらが泥の中に紛れていたのでスコップで掻き出すことも大変な作業でした。
こういう場合、フォーク型のスコップが便利だと思います。
最後は手でかき集めて土のう袋に入れました。

その他には、大量の水たまりの泥水をバケツリレーで排水、泥だらけになった家具、電化製品、災害ゴミの搬出・・・。

休憩を挟んでの作業でしたが、慣れない作業のためかかなり疲れました。
この日は60人ほどのボランティアの人たちが集まっていました。皆さん無駄話をしないで黙々と作業に集中していました。
昼食は、各自持参のお弁当です。
私もカミサンに作ってもらったおにぎりで昼食を済ませました。
朝9時に集合、終わったのは15時でした。
私たちはこれで終わりましたが、被災者にとってはこれから何日も続きます。
できるだけ支援していきたいと思います。

 

日本は自然災害(台風、地震)が多い国です。
今回のような浸水被害では、国として治水対策のための予算をしっかり組んで対応してもらいたいと思います。
又、被災された方々への復興支援(特に住宅被害への十分な補助金など)も同じです。

猛威を振るう自然を前に人間は無力ですが、その無力を自覚しつつ、毎年のように起きる天災に備えておく必要があると思います。
私たちは何のために税金を納めているのでしょうか。
莫大な国家予算の配分の中で、こうした自然災害への準備といざという時の対策費こそ国民のために使うものだと思います。

今回の台風被害を受けて、政府(安倍政権)は自治体の要請を待たずに物資を送る「プッシュ型支援」に2019年度予算の予備費から7.1億円をあてると発表しました。
えっ、7.1億円!?
確かに大きな額ではありますが、これだけの甚大な被害が各地で起きたのにたったこの額なの?

防衛費としてステルス戦闘機F35の値段が1機116億円です。
この戦闘機をアメリカから100機買うことが決まっています。本当に必要なことなのでしょうか。
考え方を単純化するつもりはありませんが、防衛や戦争はある意味外交努力で防げるものですが、天災は防ぐことはできません。
国民がたいへんな思いをしているのに、バラまき外交で1兆円を超えるコストとどうしても比べてしまいます。

先のブログでは原発のことを記述しました。
東日本大震災で福島第一原発事故が起きました。東北地方の復興は進んでいますが、福島原発とその周辺の復興は全く進んでいません。
これは原発事故による放射能汚染問題が残っているからです。
原発がなくても電力供給できる環境は十分にあります。
いつ自然災害が起きるか分からない状況の中、原発があるがために二次災害の危険性は同居しています。
更に、私たちの大事な税金が、原発再稼働や核のゴミ(放射能廃棄物)のために湯水のように使われています。

こうした「防衛費・原発」と「自然災害への対応」は、一見関係がないように見えますが、私たちの税金の使われ方をみれば十分に関係していることが分かります。
消費税10%への増税もしかりです。

本当の意味で ”国民のために使われる国家予算” であってほしいと強く思います。

一緒にボランティアをした人が帰り際に、
「人海戦術では、いつ普通の生活に戻れるのか心配です」と話していました。

私もそう思いました。

2 thoughts on “災害ボランティア

  1. すーさん様

    >他人ごととは思えない状況だったので、この災害ボランティアに応募してお手伝いしてきました。

    こちら宮城でも大きな被害が各地で発生しました。
    テレビでは丸森が大きく取り上げられていますが、大崎市鹿島台も吉田川の氾濫によって酷い状況で
    す。
    ここは昭和61年にも同じ状況で水害が発生しています。30年後にまたですね!

    後輩がこの地区に居住していて、片付けの手伝いをしてきました。
    2m近く浸水して1階の物は全て廃棄物となり、分別作業と仮り置き場への運搬をしました。
    後輩家族が前向きで頑張っていたのが印象的でした。

    私としは後輩の少しでも力になればと考えての行動だったのですが、何もしなかったら人生が終わる時
    に後悔する事がまた一つ増えるんじゃないか。腑抜けにはなりたくない。とも考えました。

    1. 後輩さん

      今回の台風で宮城でもたいへんな被害がありましたね。
      こちらのテレビ放送では丸森が大きく取り上げられていましたが、鹿島台の吉田川の氾濫もあったんですね。
      こちらの方も入間川や越辺川の他に都幾川の氾濫もあり、行政からの避難指示アラーム(スマホ)が鳴りっぱなしでした。

      >後輩がこの地区に居住していて、片付けの手伝いをしてきました。

      ご苦労様でした。
      こうした被災があった時はお互い様ですから、自分たちが出来る範囲で何らかのお手伝いをしていきたいですよね。

      貴重なコメントありがとうございました。

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