ガスと電気の契約

原発稼働に固執する

企業の「社会的責任」を考えて

 

昨年の暮れ、近くに住む友人からガスと電気のことについて話がありました。
私も友人宅もガスの契約会社は違いますが、以前からプロパンガスを使用していました。
話の内容は、友人宅が契約しているガス会社から「ガスと電気をセットにしたプラン」を提案されたことで、一緒に話を聞いてみないかというお誘いの連絡でした。

2016年4月から電力の自由化がはじまりました。
この自由化とは、これまで地域で決められていた電力会社としか契約できなかったものから、新たに参入する電力関連会社からも電気を契約できるようになりました。

2011年東日本大震災で起きた福島第一原発事故以来、東京電力の被災者への対応や経営陣の責任問題について大きな疑問を抱いていました。
更に東京電力(他の電力会社含む)は、現政府が推進する ”原発再稼働” という経営方針を積極的に打ち出し、再稼働に邁進するという企業姿勢に怒りさえもありました。
そんな思いから小さな抵抗ではありますが、東電との直接契約を見直すことを考えていました。

ガス会社の電気は、間接的に東電を通しての受給になります。
ガスとのセットプランで料金が安くなるというメリットもありますが、私としては東電との直接契約を結ばなくて済むという思いの方が強かったことから即契約しました。

今回契約したガス会社の話によると、このプランが発売されたと同時に契約が殺到したそうです。
安くなるという利点もあったと思いますが、東電との直接契約を結びたくないという顧客の思いも強くあったと聞いています。

 

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りそな銀行「核製造企業への融資禁止」

 

りそなホールディングス(HD)は、核兵器を開発・製造・所持する企業に対して融資を行わない方針を定め、公表した。
核兵器製造を使途とする融資を禁止する例はあるが、それ以外の目的であっても該当企業には一切の融資を行わないと宣言したもので、こうした取り組みは国内の大手銀行では初めて。
2017年7月に核兵器禁止条約が国連で採択され、欧州を中心に投融資を禁止する銀行や機関投資家が広がっている。
1月5日付 毎日新聞

それ以外の目的でも融資を行わないものとして、
■化学兵器・生物兵器や対人地雷・クラスター弾などの製造企業
■人身売買や児童労働、強制労働への関与が認められる企業
■環境に重大な負の影響を及ぼすおそれのある開発プロジェクト・・・など

りそなHDは、昨年11月に公表した「社会的責任投融資に向けた取り組み」と題する文書に上記の内容を明文化したそうです。

こうした対応は、企業の社会的責任という観点からたいへん重要なことであり、他の企業も積極的に取り組んでほしいと思います。
企業として単に利益を上げればいい、自分のところだけが潤えばいいという考えはあってはならないことではないでしょうか。

 

東海第二原発「拒否権」問題

 

昨年から今年にかけて、東海第二原発と地元6市町村との新安全協定の「事前了解」に関しての問題が浮き彫りになってきています。
新協定では、再稼働に向けた協議の中で6市町村に拒否権があると合意されましたが、東海第二原発側はその点を曖昧にしたまま再稼働に動きはじめています。

 

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1月8日付 朝日新聞

 

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昨年11月7日、東海第二原発の日本原子力発電(日本原電)副社長の「拒否権なんて言葉は新協定の中にどこにもない」という発言が大きな問題になりました。
この副社長の発言に対して、6市町村長は怒りをあげて反発した会見はまだ記憶に新しいものがあります。

 

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海野徹那珂市長の「拒否権はある」との質問に対して、日本原電の経営陣は曖昧に答えるばかりでした。

 

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「自治体の合意が得られるまでは再稼働できない」と公文書に残っているにも関わらず、日本原電経営陣は拒否権を明言しませんでした。

※上記画像は、1月10日の朝日TV報道ステーションより

経営陣の発言には、「誠意をもって・・・」「きちんと・・・」?
AかBかどちらなのか?という質問に対して、そのどちらも該当しない返答です。
どこかで聞いたような見たような場面ですね。まさに最近の政府の国会答弁を彷彿させる場面でした。

ここにも「ポスト真実」が現れたような気がします。
以前ブログでも何度か「ポスト真実」について触れてきましたが、客観的な事実より、感情的な訴えかけでその場を済ませてしまうやり方です。
真実はいったい何なのかということが重要ではなく都合のいいように解釈・曖昧にして事を運ぶことがまかり通ってしまうことが起きている時代なんでしょうか。

拒否権があるという事実(公文書)は、「誠意をもってきちんと」(感情的な訴えかけ)という言葉に置き換えられ、拒否権があろうがなかろうが時間稼ぎによって再稼働に着手していこうという意図がうかがえます。
これは国政においても全く同じようなことが何度もありました。

なぜ日本原電は地元(6市町村)との新協定を覆すような行為(発言)に出たのか?
そこには、昨年11月原子力規制委員会によって東海第二原発の運転を20年間延長することが認められたことで「お墨付き」を得たからなのでしょう。
ブログ「東海第二原発」

東海村の山田修村長は、新協定を否定するような日本原電の最近の発言に対して、
「6年間、交渉を続けた当事者として、何なんだという思いだ。運転延長が認められたので、地元にいい顔しなくてよいと思っているのではないか」と話していました。
1月8日付 朝日新聞

皆さん、日本原電のこうした一連の動きや発言に対してどのように思いますか?
地元6市町村を代表する各自治体の首長と取り決めた新協定をいとも簡単にないがしろにしてしまう経営陣の姿勢は、企業としての社会的責任を大きく問われるものではないでしょうか。

東京電力の旧経営陣3人の福島第一原発事故裁判が続いています。
この公判記録の中で、武藤栄・元副社長の「先送りする権限は私にはなかった」(津波対策)、勝俣恒久元会長は、津波対策についての報告はなく、「関心を持たなかった」と言い切りました。
まさに企業のトップが社会的責任を放棄した態度と発言でした。

ちなみに日本原電の大株主は東京電力です。
日本原電は東海第二原発再稼働に向けて1740億円の追加安全対策費が必要とされているようです。
実質国有化の東京電力が他社への資金援助???
どちらも同じ体質のようですね。

 

後日、新たに契約したガス会社の担当社員の方が自宅に訪れ、改めてガスと電気のセットプランについて詳細の説明がありました。
旧ガス会社と東電との契約解除は、全て今回契約したガス会社が行ってくれました。
私がしたことといえば、説明を聞いて契約書にサインしただけでした。

福島第一原発事故以来、気になっていたことが一つ解決したような思いです。
新たな契約の下で新年を迎えることができました。

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