シルバー川柳 (1)

「なるほど」「あるある」・・・

笑いを持って楽しむ!

 

毎週木曜日のテレビ番組「プレバト」は、カミサンと一緒に毎週欠かさず観ています。
この中で「俳句の才能査定ランキング」は実に面白く、特に夏井いつき先生のシビアでユーモアのある添削や批評には、「なるほどな~」と納得したり、俳句を詠むことのない私たちでも教えられるものがあります。

 

同じように、<五・七・五>の川柳とは、どのような違いがあるのでしょうか。

■「川柳」=季語がない。 「俳句」=季語がある。
■「川柳」=切れ字は重要ではない。 「俳句」=切れ字が重要。
■「川柳」=口語体。 「俳句」=文語体。
■「川柳」=人事がテーマ。 「俳句」=自然がテーマ。

川柳では、人間模様や社会風刺といった人事をテーマにしているものが多くなってきている。
ズバリ解決!「違いガイド」より

へ~そうなんだ~、結構自由な発想で身の回りの出来事などを詠むんですね。
「サラリーマン川柳」などがいい例としてあります。

 

以前、カミサンが面白いからと言って、「シルバー川柳」を買ってきたので読んでみました。
普段の生活の中で感じたり体験したことをたった17字の短詩で表現し、そのことが実に的を得ていて面白く、久しぶりに声を出して笑ってしまうことがあります。

 

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「アレどこだ?」「アレはあそこにソレですよ」

 

笑っちゃいますよね!
まさに自分自身のことと夫婦の会話が日常生活の中にある場面です。
すぐに出てこない物や人の名前など・・・、最近よくあるんですよね~。

 

 

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九十を 過ぎても気にする 中国産

 

特に食品においては気にする人も多いと思います。90歳を過ぎてもどうなのかな~と思うこともあるでしょう。

私はこの句をちょっと違うかたちで捉えてみました。
現在98歳になる義父は、サービス付き高齢者住宅(サ高住)に入居しています。
三食付きの施設で毎食用意された食事ですが、義父に言わせると「味付けが薄いんだよな~」「病院食みたいだ」などと会うたびに愚痴をこぼしています。
高齢者施設の食事は、栄養価や塩分など考慮されているためこうした味付けになってしまうのでしょう。
義父は若い頃から、濃い味付けや塩辛いものが好みだったと聞いていました。
月一回、義父を連れ出し回転寿司に行きます。魚介出汁の効いた味噌仕立ての海鮮汁をおかわり、まぐろと酢飯にたっぷり醤油を漬けて旨そうに食べる姿に驚きます。
周りの人たちが、高齢者に対して食事の栄養価や塩分に気を遣うことも十分分かりますが、反面、90を過ぎて自分好みの味付けで食べさせてあげたいという気持ちが、この光景をみて強く感じるものがありました。
それ以来好きなように食べてもらっています(笑)
ここまで生きたんだから、”もういいんじゃないの” という気持ちにもなります。

九十を 過ぎたら気にせず ・・・ 

という川柳になるのかな?(笑)

 

 

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リモコンを 子機と間違え 話す母

冷蔵庫 開けてびっくり リモコンが

 

認知症という病気は、私たちが考えている以上に驚くものがあります。
普段の生活の中で何気ない動作や会話などが突然ちぐはぐになってしまうことからです。
あくまでも病気ですから面と向かって非難したり否定したりすることはできませんよね。

93歳になる母は、現在グループホーム(認知症認定者専用)に入居しています。
施設に入居する前まで長年一人暮らしを続けてきました。
私は母の認知症が進行してきた頃から定期的に帰省し、一週間ほど同居する生活を繰り返しました。
実家に行った時、まず最初にチェックしたことは冷蔵庫を開けてみることでした。
庫内には、塩が7つ、天ぷらのかき揚げが10個、冷凍庫には砂糖が5つあったことがありました。
認知症になって買い物に行く度に自分が買ってきた物を忘れ、何でも冷蔵庫に入れてしまうんですね。

シルバー川柳のこの句を真似して詠んでみれば、

冷蔵庫 開けてびっくり 塩七つ

といったところでしょうか。
最初の頃は驚きましたが、今になってみればユーモアのある出来事だったんですね。
自分たちも肝に銘じる一場面のようです。

 

 

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金貯めて 使う頃には 寝たっきり

居れば邪魔 出かけりゃ事故かと 気をもませ

 

日本人の健康寿命は、男性71歳、女性74歳位だと聞いています。
これはあくまで平均値ですから、個人によってそれぞれ異なると思いますが、いつかは人の手を借りて過ごす日がきます。
寝たきりにならなくても、足腰が弱り出歩くことが激減してくることを母や義父母を見てきて感じるものがありました。
そうなる前に自分や家族のために有効にお金を使いたいと思うのですが・・・。
しかし、現実はそうではないんですよね。
経済的な面で将来への不安は誰にもあると思います。特に社会保障制度の後退(年金、医療、介護など)を目の当たりにしていれば「金貯めて」という気持ちにもなります。
一方で今使わなければいつ使う?という気持ちもあり、様々な想いが巡る句のように思いました。

最近、高齢者の交通事故が多発しています。
そんなことから運転免許証の返上ということも増えているようです。
私の親戚にも高齢になって運転する人がいて、その家族は「出かけりゃ事故かと気をもんだ」と言っていました。
高齢化社会になる中、こうしたことも大きな社会現象として考えさせられることなんですね。

 

「なるほど」「あるある」・・・という川柳でした!(笑)

 

「シルバー川柳」、今後もまた引き続き紹介していきたいと思います。

2 thoughts on “シルバー川柳 (1)

  1. 俳句と違って川柳は親しみやすいですね。
    それにシルバー川柳は思い当たることが多くて、参考になります。

    我が家は 「円満の 秘訣は会話 しないこと」なんですよ。
    あれから40年過ぎると、何かと気になることがあるので、これを思い出して
    じっと耐えるのですよ!

    「九十を 過ぎたら味に 口出すな!」 
    義父さんのお気持ちも、よ~くわかりますね。

    1. Rockyさん

      コメントありがとうございます。

      >「円満の 秘訣は会話 しないこと」

      ワッハッハ、なるほど!。
      この歳になるとお互いの空気間が分かるので、いろいろな対応の仕方が自然に出てきますよね(笑)

      >「九十を 過ぎたら味に 口出すな!」

      う~ん、面白いですね!
      味に関わらず、「九十を 過ぎたら・・・」いろいろな川柳ができそうですね(笑)

      普段の生活の中にある一場面ですから、親近感があって実に面白く楽しいですね。

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