大学講座 (1)

首都大学東京オープンユニバーシティ

自分スタイルで気軽に学んでいこう!

 

私は退職後の生き方、過ごし方について、今までこのブログで思うままに述べてきました。
その中のひとつとして、”今まで犠牲にしてきたものを取り戻そう” ということがありました。
それは、自分がやりたかったこと、妻や家族との生活のこと、親の介護のことなど・・・、働いていたことで時間的な余裕がなく、又、それらのことを考えることすらしなかった、できなかったことがあったのではないかと。

そんな思いを退職後の自由な時間を利用してできることが許される年代になったのではないかと思っています

退職後5年の歳月がアッという間に過ぎました。
この間、登山・山歩き、夫婦くるま旅、親の介護などを中心に今までできなかったことを ”取り戻し” してきました。
又、同時に興味のある講演会、セミナー、講座、集会などにも参加してきました。
それらは主に社会・政治問題(社会保障、税制、原発など)に関心があったということで、これもまた働いていた頃には出来なかったことでもありました。

 

そして今回、そんな思いの延長から大学講座に入会してみました。
それは、「首都大学東京オープンユニバーシティ」という大学講座です。
こうした自由に学べる公開講座は、現在では日本の多くの大学でも開かれています。
年齢、資格、条件などがなくても誰でもが学べるオープンキャンパス(カレッジ)のひとつです。

 

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オープンユニバーシティの受講案内     飯田橋にある首都大学東京キャンパス

 

学校を卒業し社会に出て働き始めてから、また、現役の職業人を卒業してからの「学び」、いわゆる「生涯学習」についても、クローズアップされるようになりました。この生涯学習の大きな特徴は、「学びたい」ものを、「学びたい」ときに、「学びたい」だけ学べるという点です。・・・。
そうした中で皆さまからうかがう代表的な意見は、「学ぶことの愉しさ」です。「学び」とは自分の知りたいことを興味の赴くままに勉強する行為で、本来愉しいものなのです。
首都大学東京 学長 上野淳 (首都大学東京 HPより)

確かにそうかもしれません。
「学び」と言うとちょっと堅苦しい感じになりますが、興味のある様々なことを「知る」という喜びは愉しさにつながってくるように思えます。

講座は多岐にわたっていました。
社会、経済・ビジネス、歴史、文化、スポーツ、芸術、科学・技術、文学・古典、からだ・健康・・・。
興味あること、関心があることなど自由に選んで学ぶことができるという点では、とても気軽に参加できるものではないでしょうか。

 

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今回申し込みした講座は、「国民生活と政策・政治」です。
まだ働いていた頃と退職してからも関心があった内容の講座だったからです。

■第一回 過労死、ワーキングプアと労働規制政策
■第二回 貧困をもたらす税・財政政策
■第三回 農政改革と食の安全
■第四回 国民の財産と日米関係

講師は、一橋大学名誉教授の福田泰雄教授で計4回の講座です。
受講料は10000円(入会金+3000円)
定員14名

参加されていた方々は、30~40代の働き盛りのサラリーマン、50代の管理職と思われる人、60代のリタイアされた人、40~50代の働く女性など様々でした。

タイトルと受講内容からみるとちょっと難しそうで堅苦しさを感じますが、普段私たちの身の回りに起こっている出来事を解き明かしていく講座です。
これらは私たちの日常生活の中で新聞やテレビなどのメディア報道でも見聞きするものです。
そして、それらは記事として単発的なものでその場限りになってしまうものが多いですが、こうした講座では、過去の経緯や現状分析、将来の予想図など時系列で捉え、その本質を学んでいくものだと思います。

講師の福田教授は、冒頭で ”社会科学” について述べられました。
なぜ初めに社会科学の話?
※社会科学:社会現象を研究の対象とする科学の総称。社会における人間行動を科学的、体系的に研究する経験科学の総称。政治学、法律学、経済学、社会学、社会心理学、教育学、歴史学など。(コトバンクより)

社会科学は、化学などと違ってその答えや結論は考え方によって様々であり、意見の相違があってもおかしくないということを前提にして講義を進めていきたいということでした。

なるほど、確かにそうだと思います。
例えば、今の政治・経済の流れの中で、なぜこれだけ「格差と貧困」が生じてきたのかという考えや意見がある一方、逆にそれは当然のことだと肯定し自己責任論で終わらせる考え方もあるでしょう。

特にこうしたフリーのオープン講座においては、いろいろな立場の人や考え方の異なる人たちが参加しているわけですから、見方考え方が違っても当然のことかもしれません。
こうした中で、福田教授は過去の歴史的な経緯と現状を正確に把握し、議論を深めていくことの重要性を説いていました

 

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第一回目の資料 深刻化する貧困、非正規雇用の拡大と長時間労働の実態など

 

第一回目の講座が終わり、次回の資料について簡単な説明がありました。
次回講座まで事前に読んでおき、そのことについての講義をするということでした。
この資料については、すでに参加者全員にメールで送られていました。

 

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メール送付された資料
オックスファムの格差に関する2018年版の英文レポート(「資産ではなく労働に報酬を」)

 

えっ、これって英文じゃん!
それもA4用紙6ページも。

当日、講義終了後にメール送付された資料について教授に聞いてみました。

「教授、この資料は全て英文なんですが?」
「そうですよ」とあっさり返答されました。

まいったな~、英語は苦手だから読めないな~(涙)
他の参加者は読めるのかな~と周りをみても誰も困った様子はうかがえませんでした。
それも専門的な経済用語もあるようだし・・・トホホ。

ということで、辞書片手に予習なんですね(笑)

 

ブログ「大学講座」つづく

6 thoughts on “大学講座 (1)

  1. すーさん 様

    大学での学びはいいですよね。

    ぼくは45歳の時に地元の県立大学の公開講座に6ケ月間通いました。
    PCプログラミングを通して地域の密集度合いをビジュアルに表す
    とい云うものでした。

    まず、教授の物の捕らえ方やデータの整理の仕方は非常に参考
    になりました。
    そして色々な方々との出会いも刺激を受けました。

    当時、職場で閉塞感がありましたが、何とか58歳まで働けました。

    お試し住宅応募の記事は刺激になります。
    妻が退職する日が待ち遠しいですよ~~!!

    1. 後輩さん

      コメントありがとうございます。

      働いている頃というのは、どうしても仕事、職場内だけの世界の中で物事を考えてしまいがちですよね。こうしたことは私もずっとそうでしたが、多くのサラリーマンの方々もそれほど大差ないと思います。
      そうした中で後輩さんのように働き盛りの45歳という年齢の時に公開講座を体験されたことは、とても刺激的でいろいろな見方や考え方を学んだのではないでしょうか。
      同時に様々な方との出会いから自分が持っていない見方、考え方もあるということを知るキッカケにもなったと思います。

      私は退職後にそうした体験を通して、今までと違った景色を見れるようになりました。
      仕事、職場という狭い世界の中から一歩外の世界を覗いてみて初めていろいろな動きがあるんだな~と感じるようになりました。
      このことは、登山やくるま旅、親の介護などでも同じような体験をしました。

      お試し住宅の件ですが、これもまた多くの退職された方々が今までと違う世界(毎日の過ごし方と異なる生活)に目を向け、チャレンジされている様子がうかがえます。
      何か新しいことや今までと違った生き方を模索する時って大きなエネルギーが必要になってきて尻込みしがちですが、こうしたことって肩の力を抜いてもっと気軽に考えた方がいいんですよね。
      なぜなら自由な時間があって束縛されない年代(リタイア生活)になったんですから(笑)

      後輩さんも今から楽しみですね。
      奥様とこれからの過ごし方について語り合ってください。

  2. 後輩さんへ

    >お試し住宅応募の記事は刺激になります。
    >妻が退職する日が待ち遠しいですよ~~!!

    奥さんが退職する前に、お試しの「お試し暮らし」もありますよ。
    以前、「ちょっと暮らし」体験者同士の交流会で、乳児を連れた30代のファ
    ミリーが2週間の予定で滞在していました。
    事情を聴くと、産後の育休を利用したそうで、自宅よりも自然環境の良い北
    海道での子育ての方が、ストレスも少ないだろうと実行したそうです。

    私には思いつかない発想で、若いのにあっぱれ!と拍手してしまいました。

    後輩さんも退職後、いきなり1ヶ月のちょっと暮らしをするよりも、下見を兼
    ねた体験がお勧めですよ。
    土日を含めた1週間程度なら、休暇も取れるでしょう。

    1. Rockyさん

      後輩さんへのコメント拝見させていただきました。
      お試し住宅の利用のしかたにこうした活用方法もあるんですね。
      私も参考にさせていただきました。

  3. 今晩は。様々な社会経験をしてきたからこそ、再度、能動的に学びたいという思いが強くなりま
    すね。

    若い時はなかなか能動的に学ぶことができなかったように思います。単位を落とさなければいい
    か~、出席日数もギリギリだったような・・・でも若さと馬鹿さで(私の場合ですよ・笑)それ
    なりに楽しいキャンパス生活を送ることができましたが。若い時は楽しいことがありすぎでした
    (笑)

    私は、40歳近くなって、夫が退職したら(当時は60歳)自分の温めていた夢を叶えたいとい
    う思いで、再度大学に入りなおしました。

    目的は海外で日本語を教えたいという夢でしたので某大学の文学部日本文学科を選びました。
    仕事を持っていましたので通信課程でしたが、皆さん熱心な方が多く、そこで会った方たちとは
    今でもお付き合いがあります。
    先生よりも年上の方も多かったです。スクーリングの時に先生が遅刻すると、ブーイング・・・
    学びたかったのに、いろいろな事情で大学に行けなかったという年配の方たちは本当に熱心でし
    た。
    中には工学部出身なので、定年後はじっくり文学作品と向き合いたかったとおっしゃっていた方
    もいました。

    いろいろな年代の方たちとの交流、地方スクーリングなどもあり、本当に楽しかったです。

    今は少子化で、大学経営も大変なようです。海外からの留学生だけでなく、
    向学心旺盛なシニア向けの講座に私も興味があります。いくつになっても学ぶ楽しさってありま
    すね。

    長くなりごめんなさい。共感するものがありましたので。

    1. Roseさん

      コメントありがとうございます。

      若い頃は生活していくのに精いっぱいでじっくり学ぶ余裕すらなかった。
      というよりも、仕事に夢中になっていたことで、そうした気持ちが薄れていたかもしれません。
      又、Roseさんのように、「自分の温めていた夢を叶えたいという思い」を持ち続けていた方も多くいると思います。

      いずれにしても、社会人として多くの経験をしてきた後でこうした場(学びの席)に身を置くと、乾いたスポンジが勢いよく水を吸収するように ”新鮮な気持ちで学びが楽しくなる” ような思いです。

      「大学講座」というと何か堅苦しさを感じますが、少しでも興味や関心事があればストレートに自分の身体の中に入ってくるような気がします。
      学ぶことでその後に何かをする、しないというより、まず自分自身が充実した気持ちになることの素晴らしさが「学ぶ愉しさ」なのかなと思います。

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