自然エネルギー (1)

再生エネルギーの壁

”送電線” 実はガラ空き?!

 

エネルギー問題は、地球の温暖化対策とも密接な関係があります。
二酸化炭素の排出量(人為的な温室効果ガス排出)の9割がエネルギー起源だとされています。
※経済産業省自然エネルギー庁:2015年のエネルギー起源CO2 86.7%
こうしたことからエネルギー対策は温暖化対策の要だと思います。

エネルギーの自給率を引き上げ、また地球温暖化対策をすすめるためには、環境に配慮した自然エネルギー源の開発・利用に取り組む必要があるのではないでしょうか。
風力や太陽光発電、地熱、水力、又、畜産や林業など地域の産業と連携したバイオマス・エネルギーがあると思います。
そして、そこから得られる電力やガスを販売することで地域で新たな収入が生まれ、事業の成果や副産物を地元に還元したり、雇用や技術、資金の流れを地元に生み出すことで地域活性化にもつながると思います。

こうした中で現在日本の自然エネルギーの比率は14.8%で欧米諸国と比べるとかなり低いレベルです。

 

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環境エネルギー政策研究所 2016年資料

 

私たちの住む町や地方にくるま旅に出かけた時、太陽光発電のパネルをよく目にします。
こうした光景を見ると自然エネルギー発電に向けた取り組みが各地で推進されている様子が分かります。
しかし、こうした発電が送電線を通して本格的に利用されているかどうか、という点については最近の報道などでもみられるように現実はそうではないようです。

先日、テレビ朝日のニュース番組でこの問題が取り上げられていました。

大手電力会社10社の基幹送電線の運用状況は、平均で約20%にすぎない。
日本の自然エネルギーの普及が欧米より遅れている理由の一つが、送電線の「空き容量不足」だったが、実際には残り約80%が利用されていない。
これは、原発再稼働など既存の発電施設が動くことを前提に空き容量をそのままにしているのが現状。
※番組放送 京都大学 安田陽特任教授

風力や太陽光発電などの自然エネルギー事業者は、大手電力会社の送電線を利用して送電する。
しかし、電力会社は、送電線の空き容量がないことを理由に、送電線増設のためとして多額の工事負担金を要求している。
このため、事業を断念するケースもあり、日本の自然エネルギー発電の普及を遅らせる大きな要因になってきた。

 

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このような状況をみる限り、現政府の原発依存政策とそれに呼応する電力会社の意図がはっきり分かってきます。
電力会社は、原発再稼働による利益拡大のために、「電力供給が不安定になる」という口実で、再生可能エネルギー接続を制限・拒否する姿勢ではないでしょうか。
こうした ”原発固執政治” が再生可能エネルギー普及の最大の障害になっていると強く感じます。

ブログ「原発再稼働への態度」

 

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1/31付 東京新聞トップ記事        1/15付 朝日新聞 原発再稼働に関する社説

再生可能エネルギーに限らず新たに発電事業を始める際、発電設備を送電線に接続してもらうよう大手電力に頼まなければならない。
しかし、「空き容量がない」ことなどを理由に送電線の高額な増強費用を求められる事例が全国で発生。
東京新聞

 

世界各国の自然エネルギーの割合目標は、スペインでは2025年までに40%、ドイツは40~45%、フランスは2030年までに40%、EU全体では、2030年までに45%、アメリカでもカリフォルニア州は2030年までに50%を目指しているそうです。

こうした世界の動きは、今や再生可能エネルギー拡大に向けての流れになっています。
しかし、現政府の「エネルギー基本計画」によれば、”2030年のエネルギー需給の姿” では原発の新増設によって発電量の20~22%を原発に頼る計画を打ち出しています。

更には、火力発電所の新増設や海外輸出も積極的に行い、世界各国から名指しで批判され抗議活動も行われています。
又、昨年末、日本の大手企業が海外への原発輸出を決め、日本政府がメガバンクの融資の全額を債務保証するようです。
”原発輸出に債務保証?” いったいどういうことでしょうか。国民の大切な税金が原発輸出のために利用されようとしています。
私たち国民がほんとうにそうした行為を望んでいるのでしょうか?

2011年3月の福島原発事故から7年が経とうとしています。
いまだ約6万人の県民が避難生活を強いられ続けています。
あの時の教訓はいったい何だったんでしょうか。

 

脱炭素革命~激変の世界ビジネス?

 

世界のビジネスが今大きく変わろうとしています。
退職後、ビジネスとは直接無縁の存在になりましたが、私たちを取り巻く生活環境に大きな影響を及ぼすものがあると思います。

先日、NHKドキュメンタリー「脱炭素革命の衝撃」と題した再生可能エネルギー拡大に向けて、世界のビジネスが変わろうとしている番組でした。

世界に衝撃を与えたトランプ大統領の「パリ協定」脱退。にもかかわらず世界のビジネス界は、今世紀後半に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする ”脱炭素革命” に向け大激変し、その動きは止まらない。
なぜか?そこには地球温暖化という課題だけでなく、何より一攫千金の大ビジネスチャンスがある。
しかし日本人の多くは、まだそのことに気づいていない・・・。
日本では再エネ普及も進まず、トレンドに乗り遅れている。
番組「脱炭素革命」

世界の大手企業が、再生可能エネルギー拡大とその獲得に向けて猛烈なスピードで動いるようです。

 

この脱炭素革命ついては、後日また「自然エネルギー(2)」でアップしていきたいと思います。

ブログ「自然エネルギー」 つづく

2 thoughts on “自然エネルギー (1)

  1. 少し右向きなわたしでさえ、原発は「もんじゅ」でこりごり。
    次を期待してます。

  2. ヒロさん

    いろいろな政治的な問題については、支持する・支持しない、賛成する・反対など様々な意見、考えがあります。
    こうした中で原発再稼働に反対する国民の声は、常に過半数以上(約60%)を占めています。
    それだけ多くの国民が関心を寄せ、再稼働に疑問を持っていることが分かります。
    特にこの問題は、政治的な党派を超えている点に特徴があると思います。

    原発や化石燃料に頼る政治から自然エネルギー転換に向けての流れについて、引き続き考えていきたいと思います。

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