アンダーウェア

登山中の汗冷えの解消

 

登山に必要な装備はいろいろありますが、その中でも「三種の神器」と呼ばれる基本装備があります。
それは、登山靴、ザック、レインウェアです。
これらの装備は本格的な登山に限らず、低山の山歩きやハイキングでも誰でもそれなりに意識して揃えるアイテムだと思います。

この三種の神器以外に特に重視されるものとしては、やっぱりウェアがありますよね。
最近の登山ブーム(山ガール?)によりウェアへのこだわりは顕著になってきたような気がします。
老若男女問わず健康への意識向上もあって単にスポーツとして捉えるだけでなく、人目に触れるウェアをファッションとして楽しもうということも登山人気を支えるひとつなのかもしれません。

私は夏山が好きです。
早朝4~5時に登山を開始しても外気はそれほど寒くなく、スッキリした大気の中での山歩きはなんとも言えません。
又、汗をかいても日中の気温が高いことからシャツもすぐ乾き、汗冷えすることなく過ごすことができるからです。
寒いのが苦手ということなんです(笑)
こうしたことから、アンダーウェアはいつも速乾性のあるTシャツだけでした。着替え用の予備として1~2枚のTシャツがあれば、数日間の山歩きでも十分対応できたからです。

 

登山の服装で大事なこととして、”レイヤリング(重ね着)” ということがよく言われます。
これは、肌着=汗を逃がす、中間着=体温調整、アウター=防水・防風というように、行動中の体温をその都度服装で調整していくことで快適な山歩きをする行為です。
登りはじめて暑くなってきた、汗をかき始めた時に上着を脱いだり、逆に寒くなってきた時に上着を着るという簡単なことですが、意外とこのタイミングが難しいんですよね。
登山という行動中ですから、いちいちザックを降ろして着替えすることが面倒くさくてそのまま歩行を続け、結果として大量の汗をかいて肌着や中間着まで全部着替えするはめになったりします。
私も何度もそんな経験をしました(笑)

こうしたレイヤリングは、その都度頻繁に着脱することで着替えしないで済みます。
又、汗による疲労軽減と予備としての着替え用荷物も少なくすみますからザックも軽量になり一石二鳥、三鳥にもなりますね。

 

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冬季山歩き。今年2月の日ノ出山(奥多摩)と関八州見晴台(奥武蔵)

 

退職後、春先や冬場を中心に近隣の低山をトレッキングする機会が多くなりました。
私がよく行く近場の奥多摩や奥武蔵は、そうした時期の山歩きにはもってこいのエリアです。
低山といっても場所によってはかなり急登の所も多く侮れません。と同時にそれなりの汗をかきます。
いつものように夏登山に使っている速乾性のあるTシャツをアンダーにして出かけますが、大気が冷たいことから夏場とは違って乾きにくいです。
その結果、汗が冷えて体温が低下し寒さを感じる山歩きになってしまいます。

以前、一度だけユニクロのヒートテックを着用して奥多摩の山歩きをしたことがあります。
平地やなだらかな丘陵地帯では体温が維持され、又、登り始めは快適でしたが、少しでも汗をかき始めると肌の暑さが逃げなく、更に汗をかく現象が起きました。
この結果、肌着は汗で濡れたままになり、汗が冷えて寒くなるようになってきました。

ヒートテックは登山に不向き
「レーヨン」という素材に着目してほしい。このレーヨンはよくある人工繊維で植物繊維から作り出した天然素材の原料から構成されている。
レーヨン自体の特徴としては、「肌触りが良く感じられる」といった利点があるが、吸水性が高いという性質から、発汗が大量に行われると「吸水率が飽和」してしまうという欠点がある。
そして結果的に「乾くのが遅い」という特性があるのだ。この「乾くのが遅い」というのが外気の影響で汗冷えを起こし、体温の低下につながる。
※IT技術者ロードバイクサイトより

この時期私も普段の生活の中でヒートテックを愛用していますが、登山をはじめとするスポーツには不向きのようです。
それは、私も登山で経験したように ”大量の汗をかく行動” にとっては適していないと思います。

こうしたことから、冒頭で述べた「三種の神器」以外にも、登山で必要な装備として特に肌に直接触れるインナーウェアも大変重要なものではないかと思うようになりました。

そんなことから夏場に着用する速乾性のあるTシャツはいいとして、特に寒い時期でのインナーを新たに購入して試してみました。

 

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先日、奥多摩トレッキングでザ・ノースフェースのアンダーウェアを着て7時間山歩きしてきました。
登山中かなりの汗をかきましたが、吸湿速乾性があることに驚きました。
以前でしたら途中で着替えや身体の汗(上半身)をふいていましたが、全くその必要はありませんでした。
特に汗を感じる背中は、濡れている感覚はそれほどなく違和感がありませんでした。

価格は普通のアンダーウェアに比べれば高いですが、生地もしっかりしていて何年でも使えますから長い目でみれば安いかもしれません。
半袖、長袖、タイツそれぞれ6800円でした。

 

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登山のウェアとして、綿やレーヨンの製品は汗で濡れてもなかなか乾かないし体温を奪います。
今回購入したアンダーウェアは、ポリエステル59%の素材でした。もちろんレーヨンはありません。
ちょっと調べてみると、ポリエステルは疎水性があり、水の分子と繊維がくっつかない性質のもののようです

 

今まであまり気にしていなかったアンダーウェアひとつとってみても登山にとって大変重要な要素であることが分かりました。
どうしても外観を見た目で判断してしまうアウターや中間着に注目しがちですが、それよりももっと大切な装備があるということですね。
汗をかいてそのままの状態で登山を続けることで体調への影響がかなりあると思います。
快適な登山を楽しむためにもこうした目に見えない部分も注目したいものですね。

7 thoughts on “アンダーウェア

  1. 興味深いテーマです。
    アンダーウエアは重要です。
    私も、シルク、ウール、ポリエステル、アクリルといくつか持っています。
    やはりノースフェイスはいいですね。
    夫は長時間トレイルランニングのとき、折り返し地点でアンダーウエアを全部着替え
    るようです。
    そうすると、体が冷えずに温かく、軽くなるらしい。
    若いころは関係なかった、加齢でのアイデアです(笑)

    1. 家犬さん

      コメントありがとうございます。

      そうですね、若い頃はがむしゃらに登っていたので、汗冷えも特に気にしませんでした(笑)
      ご主人のトレイルランはすごいですよね~。甲斐駒ケ岳の黒戸尾根を一気に登ってしまうんですから。ゆっくり登る登山とは違って相当な汗をかくと思います。
      アンダーウェアを全て着替えるのはよく分かりますよ。
      この歳になればやっぱり汗冷えが気になりますから、アンダーウェアは大切ですね。

  2. 2015、福井のくるま旅、拝見しました~
    読んでないと思っていたけど、ちゃんとコメント1回していた私(爆笑)
    あれあれって感じです。
    写真を見て、少し思い出しました。
    私の行ってないお城を見られて、あらためてよかったです。
    今度は検索しま~す。

    1. 家犬さん

      家犬さんの福井の旅面白かったですよ~。
      お酒もたくさん飲めて良かったですね(笑)
      旅の楽しみのひとつとしてその土地ならではの地酒巡りもいいものですね。
      私たち夫婦はお酒は飲みませんが、そんな楽しみがあるという気持ちはよく分かります。
      私たちのグルメ旅と同じですからね。

  3. ノースフェイスはいいのですか???
    基本、やっすい下着使ってますが、ゴワゴワするしアフリカに行く前に下着購入しようか?と考
    えてます。
    今回のタンザニア旅が、国立公園だから好きな場所に好きなだけトレッキング出来るから汗かい
    たら変えないと思いました。
    わたしは、汗かく人間じゃなく顔が赤くなり身体中が熱くなるタイプです。
    すーさん、山登りがお好きなら、キリマンジャロ登山も有ですよ。
    簡単な英語でOKだし観光地化されてます。
    アル―シャで奥様もまったり出来るし。

    わたしは、ワイナポトシ山に行くのを目標にしてます。
    ワイナポトシ山にトライする事を目標に国内の登山しながら、慣れたいと思ってます。

    1. ヒロさん

      コメントありがとうございます。

      今回のアンダーウェアは近くの石井スポーツで購入しました。
      品揃えされていたのがノースフェースだったため買いましたが、他のスポーツメーカーのアンダーウェアでもいいと思いますよ。
      最近では、価格、品質、デザインなどで人気のあるモンベルもいいんじゃないかと思います。

      タンザニアの旅すごいですね。何かワクワクしますね。
      アフリカは暑いですから速乾性のある下着があると便利だと思いますよ。
      先日TVでキリマンジャロ登山の番組を観ました。素晴らしい所ですね。
      今は国内の山のことだけで頭がいっぱいですが、いつかは登ってみたい山です。

      アフリカの旅、ぜひ楽しんできてください。

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