総選挙結果に思うこと (1)

選挙戦でのメディアの影響!?

 

衆議院選挙の結果が出ました。
その結果については、すでに公表されているので詳しく触れることは省略したいと思います。
ブログでは今回の選挙戦を通して私自身が個人的に感じたことをまとめてみました。

まず最初に、”選挙戦におけるメディアの影響力” ということが強く印象づけられた選挙だったのではないかと感じました。
前回のブログ(「選挙への大切な一票」)でも触れましたが、私たち庶民が国政に関する情報を得る手段としては、ほとんどがメディアからの報道だと思います。
国会での討論中継もそうですが、大半はテレビのニュース、ワイドショー、新聞記事、ラジオ、インターネットでしょう。
事実の情報、中立的な報道といっても、視聴率を稼ぐ、部数を伸ばすなどの話題性を重視した ”メディア側の意図” もあり、一方的な情報ということに注意しなければならないと思います。

今回、小池百合子氏が立ち上げた「希望の党」も典型的な一例だったと思います。
皆さんもよくご存じだと思いますが、「排除」という発言が大きく報道されました。これは選挙後の結果(敗因)においても今だ大きく取り上げられています。

党を立ち上げるに当たって、その旗の下に結集する支持者に対して「排除」という言葉は、確かに不適切な言い方だったと思います。
しかし、国の方向性を担う重要な党という組織においては、理念と政策が一致し共に国政を動かす仲間(党員)ということであれば、その考え方や姿勢においては十分精査すべき点だと思います。
国会解散後、短期間で新党を立ち上げる中で同じ志を持つ人を選ぶことは難しいと思います。そうした焦りがこの発言につながったのではないかと思いました。

私は小池氏を支持する、支持しない云々、又、擁護するものではありません。
あくまでも有権者の一人として感じることは、発言としての「排除」はよくなかったとしても、党を立ち上げる段階でこうした行為はありうることだと思いました。
それよりももっと大きな問題は、新党に結集した候補者の発言とその行動にあるのではないでしょうか。
「希望の党」から出馬した候補者は、当然小池氏の考えや政策面に同意して立候補したはずであり、有権者もその考えや政策に支持したと思います。
しかし、選挙中の風向きの変化から党の旗を降ろしたり、解党や小池辞任という発言が相次ぎました。
まさに世論の状況が変われば保身のための行動に出た姿だったのではないでしょうか。
これでは有権者全体に不信を抱かせることにつながり、更にその党を支持した方々を裏切る行動だと思いました。

こうした状況を端的に指摘した記事がありました。
小池氏の人気を当て込む民進党議員に、小池氏は「排除の論理」も持ち出し、政策的な「踏み絵」を迫った。
それを受け、合流を求める議員たちは民進党が主張してきた政策を覆した。安全保障関連法案の撤回や、同法を前提にした改憲への反対などである。
10/24日 朝日新聞社説

小池氏のストレートな「排除」発言は適切ではなかったとしても、理念や政策を覆してまでも当選だけを目論む議員としての姿勢の方が問題ではないでしょうか。
更に、こうした行動を指摘しないで、話題性のある「排除発言」だけを報道の目玉にしたメディアの姿勢も大きな問題があると思いました。
全体的なメディアの報道を批判するつもりはありません。
時としてこうした過剰な報道が、本来の選挙戦(政策論議)から外れ、感情的に世論を形成させてしまう方向に行きかねない恐れがあると感じました。

 

2017新聞3  2017新聞2

 

選挙が終わった後、日課にしている市民体育館(プール、トレーニングジム)に行きました。
いつもの光景ですが、ラウンジにはトレーニングで疲れた体を休めているおじさん、おばさんの姿があります。私もそのおじさんたちの一人ですが(笑)
選挙後ということもあって話題は選挙結果の話でした。
「俺は自民党推薦の○○に入れて当選したよ」「私は今回立憲民主党に入れたわよ」など・・・。
もちろん誰に、どの党に投票したかは言わない方もいましたが、皆さん大人ですからそれぞれの考えや意見を尊重して大激論にはなりません。
こうした選挙に関わる雑談の中でひとつだけ共通したものがありました。
それは今回の「希望の党」に結集した候補者(結果当選、落選した人を含め)の姿勢に疑問を持つ声とメディアの過剰な報道についてでした。

「党には規約や理念、政策があるんだろう、それに同意しているんじゃないの?」
「排除という言葉は悪いけど、新党結成ではそれって普通じゃないの?」
「何か自分たち(候補者)が犠牲になったような言い方だけど、なにか違うんじゃない」
「マスコミもマスコミだよ。面白おかしく報道して政策論議の報道がないもんね」・・・

井戸端会議に集まったおじさん、おばさんたちの支持政党はそれそれ異なっていましたが、小池氏の排除発言から端を発したマスコミの異常な報道と候補者の姿勢に疑問を持つ声が圧倒していました。
たまたま今回の雑談がそうした雰囲気になったかもしれません。
しかし、60~70代のおじさん、おばさんは酸いも辛いも味わってきた人生の達人ばかりです(笑)。やっぱりマスコミの影響に踊らされることなく ”冷静な見方” をされていることに私も賛同しました。

 

繰り返します。
今回の選挙戦で感じたことは、政策論議がほとんどなかったことと同時に候補者自身の信念、政策を覆してでも当選を目論む姿勢に疑問を持ったことです。
こうした状況は、現与党にとって有利な解散ということで短期決戦だったことも影響しているかもしれません。
これからの日本の方向性を問う大事なことですから、真向から ”政策論議で戦う選挙戦” にしてほしかったと思います。

今回の選挙戦で現与党(自民党、公明党)が圧勝しました。
これによって国民から全面的に支持されたということではないと思います。
例えば、法案や政策面において改憲問題、安保法制、消費税増税、原発問題(再稼働・ゼロ)、社会保障制度、モリカケ問題など重要な案件が多岐にわたっています。
選挙で現与党に票を入れた方々が、与党政策全てを支持しているとは限らないものだと思います。
そして、今回の勝因については、北朝鮮問題、野党の分裂、排除発言などからの圧勝だったことを最も分かっているのが現与党ではないでしょうか。
こうした状況の中、安倍首相や閣僚の発言に「謙虚」「丁寧」という言葉が頻繁に使われていました。
しかし、その真意と行動は全くわかりませんが・・・。

 

次回ブログでは、今回の選挙結果を受けて「三権分立と選挙制度」「年代別支持政党」について思ったことを綴ってみたいと思います。

 

「総選挙結果に思うこと (2)」へ つづく

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