歌詞の重み

「イマジン」と「風に吹かれて」

国が私たちがしなければならないことは・・・

 

22日、川越市民会館で市民コーラスのコンサートがあり、カミサンと二人で行ってきました。
ご近所で長年お付き合いのある方がこのコーラスグループに所属していて、以前からコンサートへのお誘いがあったからです。
時を同じくして衆議院選挙の投票日と重なり、又、台風の影響で風雨が強くなる中での開催でしたが、多くの市民がコンサート会場に足を運んでいました。

このコンサートは、川越市内に住む女性コーラスグループが主催し、ピアノとフルートを伴奏に18曲の歌が披露されました。
普段の生活の中で音楽を聴く機会(CD、TV歌番組など)はありますが、こうしたコーラスのコンサートに行くことはほとんどありませんでした。
一般的にコーラスといえば、複数の歌い手がパートに分かれて合唱するもので、さまざまな音域の声が複合的に交わり独唱にない幅のある歌が聴けました。

 

2017コンサート1

今回のコンサートではもうひとつ注目する点がありました。
それは18曲の曲名です。プログラムのコーラス曲は3部編成になっていました。
■一部:「出発の歌」(たびだちのうた)5曲 翼をください、戦争を知らない子供たち 出発の歌 他
■二部:「サウンド・オブ・ミュージック」7曲 サウンド・オブ・ミュージック、ドレミの歌、エーデルワイス 他
■三部:「平和の歌」 6曲 イマジン、風に吹かれて、折り鶴、ヒロシマの有る国で 他

これらの曲名を見ただけで多分お分かりかと思いますが、共通しているものは「平和と反戦」を願う歌でした。

コーラスコンサートというとどうしても難しい曲をイメージしがちですが、昔から歌われてきた曲であり、学校の唱歌にもなっている親しみのある曲ばかりでした。
こうした歌は、誰でも一度は歌った曲ではないでしょうか。又、普段何気なく口ずさんだりしたりする曲でもあります。

 

2017コンサート3

この曲の中に「イマジン」「風に吹かれて」がありました。
皆さんもご存じのとおり、「イマジン」はジョンレノンが作詞作曲して世界的にもよく歌われている名曲です。
又、「風に吹かれて」は、昨年ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの曲で、1960年代当時のアメリカ公民権運動の賛歌とも呼ばれ、こちらも世界中に広まった名曲です。
日本でも英語で歌われているのでその歌詞(歌の意味)についてはあまり深く伝わらないことがあります。
この二曲は、私も若い頃から親しみやすく心地よいメロディーだったため片言の英語で口ずさんだりしていました。
特に「風に吹かれて」は、団塊世代の方々には懐かしい歌ではないでしょうか(笑)
まだ若かった当時、何かの機会に和訳された歌詞を読んでこの曲の持つ意味を知りました。

今回のコンサートでは、この二曲はRCサクセションの忌野清志郎の歌詞で歌われました。
直訳されている歌詞とは若干違いましたが、伝えようとしている詩の持つ意味は変わりませんでした。

 

イマジン(歌詞の一部)※直訳では「想像してごらん」、忌野清志郎の詩では「夢かもしれない」

天国は無い ただ空があるだけ 国境も無い ただ地球があるだけ
みんながそう思えば 簡単なことさ
社会主義も 資本主義も 偉い人も 貧しい人も 
みんなが同じならば 簡単なことさ

夢かもしれない でもその夢を見ているのは
一人だけじゃない 世界中にいるのさ

 

風に吹かれて(歌詞の一部)

どれだけ遠くまで歩けば 大人になれるの?
どれだけ金を払えば 満足できるの?
どれだけミサイルが飛んだら 戦争が終わるの?
その答えは風の中さ 風が知っているだけさ

どれだけ嘘をついたら 信用できるの?
いつまで傷つけあったら 仲良くできるの?
その答えは風の中さ・・・

どれだけ風が吹いたら 解決できるの?
どれだけ人が死んだら 悲しくなくなるの?
どれだけ子どもが飢えたら 何かが出来るの?
その答えは風の中さ・・・

 

この二曲の歌は、間接的、直接的な歌詞の意味からどう捉えるかは人それぞれだと思います。
深い想いを持つ歌ですから、歌い手、聴き手それぞれその感じ方も異なると思いますが、共通することは ”みんな同じ人間なんだから欲を持たず争いをやめようじゃないか” というメッセージが込められているように感じます。
一言でいえば「平和への願い」ではないでしょうか。

 

今回のコンサートの最後に歌われた曲は、「ヒロシマの有る国で」でした。
初めて聴く歌でした。シンガーソングライターの山本さとし氏が作詞作曲し、学校の合唱コンクールなどの教材にも使われている歌だそうです。

■「ヒロシマの有る国で」(一番の掲載)

八月の青い空に いまでもこだまするのは 若き詩人の叫び 遠き被爆者の声
あなたに感じますか 手のひらの温もりが 人の悔し涙が 生き続ける苦しみが
私たちの国とかの国の 人の生命(いのち)は同じ
この青い大地のうえに同じ生を得たのに

ヒロシマの有る国で しなければならないことは ともるいくさの火種を消すことだろう

 

こちらの歌は、この曲名と歌詞を見ればはっきりと分かる反戦の歌です。
二度と起こしてはならない戦争(核の脅威)に対しての非核への想いが伝わってきます。
私が今回この曲で一番感じたのは最後のフレーズでした。

「ヒロシマの有る国で しなければならないことは ・・・」 いったい何でしょうか。



7月7日、核兵器禁止条約が国連加盟国の3分の2にあたる122カ国の賛成で採択されました。
しかし、唯一戦争被爆国の日本の政府は、この核兵器禁止条約に参加もせずサインもしていません。
長崎の被爆者は首相に直接「どこの国の総理か」と訴えたことはまだ記憶に新しいと思います。

先日、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN・アイキャン)がノーベル平和賞を受賞しました。
核兵器禁止条約の問題が改めて注目されています。

今回の選挙で与党の自民党・公明党の連立政権は絶対安定多数の議席を確保しました。
これによって改憲論議、とりわけ9条改悪に一段と拍車がかかってくるでしょう。

「ヒロシマの有る国で しなければならないこと・・・」
現憲法を守り、唯一被爆国である日本が先頭に立って核兵器禁止条約にサインをすることではないでしょうか。

「想像してみましょう」・・・みんながそう思えば・・・「解決できる」「悲しくなくなる」のではないでしょうか。

 

普段私たちがこうした歌を口ずさむフレーズの中に大事なメッセージがありました。
改めて歌詞の重みを感じたコンサートでした。

2 thoughts on “歌詞の重み

  1. こんにちは~
    私のブログにコメントありがとうございました。
    今回、承認なしで、内緒コメントで返信しました。
    どういうふうに着信しているのかが、私もわからないのですが。
    読めませんでしたら、またご指摘ください。
    こちらのコメント欄を使わせていただきました。すみません。
    いつもありがとうございます。

  2. 家犬さん

    了解しました。気にしないでくださいね。
    コメントが管理人さん(家犬さん)に伝わればいいのですから。
    内緒コメントはよくわかりませんでした。
    これからも楽しく面白いブログ読ませていただきますよ~(笑)

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